金気の生成 ー 古典に見る金気の生成と働き ー 五行と肺の深い関係
金気の生成
古典では、金気を次のようにまとめています。
- 天にありては燥となす
- 地にありては金となす
- 体にありては皮毛となす
- 臓にありては肺となす
- 色にありては白となす
- 音にありては商となす
- 声にありては哭(な)げくとなす
- 変動ありては欬(がい)となす
- 竅にありては鼻となす
- 味にありては辛となす
- 志にありては悲となす
金気と五行との関連
- 西方の働きは燥を生ず
(西日は湿性をなくし、大気を燥気に変える) - 燥は金気を生ず
(生物体を乾燥させることで収斂し、金形を生じる) - 金は辛を生ず
(収斂した植物は辛味を帯びる) - 辛は肺を生ず
(肺気を促進する) - 肺は皮毛を生ず
(皮毛の成長や維持に影響する) - 皮毛は腎を生ず
(金生水との関連性を示す)
肺の働きと象徴
- 肺は鼻を司り、声音の門戸を司る。
- 白色は肺気に由来する。
- 涕(鼻汁)は肺虚風邪による。
- 腥(なまぐさ)い臭いは肺より発生する
(豚や犬のような臭い)。 - 肺は金を象り、秋に旺す。
- 脈は浮濇(ふせつ)を示し、皮毛を養い、気を蓄える。
- 手の太陰肺系と手の陽明大腸経が表裏を司る。
金気の成り立ちと働き
金気生成に関する要約は以下の通りです。
『素問』に基づき、「天にありて燥となす」という表現は、天の金性の働きを「燥」と定義しています。
燥の作用が金気を生むという記述があります。乾燥の過程で物体が固化し、金気が形成されるとされています。
この金気は辛を生じ、秋や夕方の大気は辛味を生じると述べられています。
「皮毛は腎を生ず」という記述は、金生水の関係性を示し、この接点にさらなる研究の余地があります。
この記事を読めば、東洋医学について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!
今回の講義の概要
・金気の起源と役割
・五行の循環と関係
・肺とその象徴