東洋医学講座 367

東洋医学講座 367 肺と兌・乾

肺と兌・乾 ー 自然と人体の一致 ー 肺と兌・乾の関係性を探る

ひごころ治療院

この記事を読めば、東洋医学について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!

今回の講義の概要

兌と乾の象徴的意味と人体への影響
肺と易象の関連
自然と人体の同一性と応用

肺と兌・乾

兌・乾は金性を示す易の象

兌と乾は易象であり、金性に属するため、肺と同じ真理を共有します。兌は四季の中で初秋・仲秋に、乾は晩秋に該当します。

兌・乾とは

とは、「悦ぶ」「ほころぶ」という意味があり、一つの形が崩れることを示します。たとえば、顔がほころぶとは、真顔が崩れて笑顔になることです。この「崩れる」という意味から派生して、「欠ける」「止まる」といった解釈も可能です。水の場合、流れることで正常を保ちますが、溜まり水になると停滞してしまいます。これが「欠ける」という意味に通じます。水が止まると、正常さを失うのです。

また、兌は表面的なもの、人でいえば「少女」に例えられます。少女は喜びやすく感情の起伏が激しい、壊れやすい、隠し事が苦手といった特性を持ちます。これらは兌という真理に内包され、秋の働きとも一致します。秋には、生物を殺滅する作用があります。

は「天の働き」を象徴し、陽遁の気を意味します。秋は陰の気が交わらない「金陽の気」を持つ季節です。春の陽気は地の陰気と交じり合いますが、秋の陽気は純粋であるため偏りやすく、堅さや剛健さを生じさせます。また、乾燥性の大気により、収斂作用や凝集作用が働き、堅さが増します。

「剛健」の「健」は健全性、つまり天の運行のような正確性を指します。自然界では天が根本であり、君主や家長がこれに相当します。乾はこれらを包括しています。

自然と人体の同一性

易象の配当によると、北は坎、東北は艮、東は震、東南は巽、南は離、南西は坤、西は兌、西北は乾です。それぞれの気が自然界で作用しています。また、木気と金気は陰陽二気に分類されます。

人体において、兌的な働きは口腔、婦人科系、泌尿器系に該当します。一方、乾的な働きは頭部、脳、中枢神経など中枢的な機能に関係します。

肺との関連では、右肺が乾に、左肺が兌に配当されます。左肺は二葉で構成され、易象の「一陰二陽」と一致します。右肺は三葉で構成され、易象の「三陽」に対応します。

これらは、自然と人体の働きが同一であることを示しています。時間的には、夕方に肺が最も活発になります。兌の時間帯には左肺、乾の時間帯には右肺が中心的に働くと考えられます。

また、夕方に発熱する病気の多くは肺に問題があることが多いです。具体的には、夕方から微熱が出る場合は左肺、夜遅くに微熱が出る場合は右肺に障害がある可能性が考えられます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です