肺と西 ー西方の気と肺の働きー秋・夕方における金気性大気の影響
肺と西
西方は秋や夕方の大気が働く位置であり、この時期のこの方位には窒素性の大気が充満しています。すなわち、地気の少ない冷涼な純天気の多い大気であり、この大気は特に肺気を鼓舞すると考えられます。つまり、西方の気は肺を活性化させる働きがあるのです。
家相学では、西方が凶相であれば、肺系や婦人科系の疾患にかかりやすいとされています。
西の〝気〟の働きとは?
肺と秋、肺と西、そして秋と西の間には相関性があります。これらは金気が自然界では秋として、方位では西として、人体では肺として働くため、それぞれ同一性を持っています。ただし、働く場所が異なるだけです。
西方は一年の中では秋、一日の中では夕方に金気性の大気が働く方位を指します。
秋や夕方には金気性の大気が四方八方を覆い、人間が立体であるのと同様、家という立体の中で生活しているため、西からの風圧を受けます。そのため、西面が最も金気が旺盛な場所となります。この時期には、地上で天地不交の窒素性大気が充満しています。一方、陽遁期には、天気と地気が交流し、安定した大気が生じます。
しかし陰遁期では天気と地気が交流せず、窒素性の大気が支配的となります。窒素には生物を凝縮させ枯らす作用があり、酸素とは反対の働きをします。夕方になると草木は窒素を吐き出し、人間もまた酸素の必要量が減少します。この時間帯には肺が活動して呼吸を調整し、必要な酸素だけを吸収します。
また、夕方に酸素を多く必要とする人は疾病を抱えている可能性があり、その部分が酸素を要求しているのです。夕方からは主に窒素性の大気が必要とされ、酸素を過剰に吸収すると交感神経が活発化して頭が冴え、夜眠れなくなることがあります。
秋・夕の特性
秋や夕方の大気は地気が少なく天気が多い純天気です。この陰遁期では天気と地気が離反し、地気不交の純天気が働きます。秋の「天高く」という表現は、この純天気が充満していることを意味しています。
このように西方の気は肺気を賦活し、経気を生成すると考えられています。西方に凶相がある場合、肺の疾患や婦人科系の病気にかかりやすくなります。さらに秋の金気から腎系が生じるため、金母が損なわれると腎子に影響が及び、婦人科系の病が発生する可能性もあります。
この記事を読めば、東洋医学について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!
今回の講義の概要
・西方の気と肺の関連性
・陰遁期の窒素性大気の影響
・西の凶相と健康への影響