東洋医学講座 363

東洋医学講座 363 肺と秋

肺と秋 ー東洋医学における肺と秋の関係ー収斂と凝結の力

ひごころ治療院

この記事を読めば、東洋医学について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!

今回の講義の概要

秋と肺の関係
陰遁の気
辛味の働き

肺と秋

秋は太陽が南極回帰線に向かって進み、気温が下がり、地上の物体は冷却の気を受け、収斂・凝結します。本気は根に戻り、枝先では収斂が起こり果実が結ばれます。人体では、肺気が盛んに働き、その衛気が体表に集まり、全身を引き締めて内蔵を保護する役割を果たします。

秋に働く「陰遁」の気

なぜ秋になると実を結ぶのかと言うと、それは金気作用が働いているからです。春から夏にかけて草木が成長するときは、葉先の方向へ遠心的に広がっていきます。これは陽遁の働きです。秋の陰遁の気を受けた草木は、次に収斂し、葉先から根の方へ向かって内蔵しようと戻ります。それが凝結作用となり枝先で実を結びます。したがって、果実を実らせるのは金気作用によるものです。秋はこの金気作用が旺盛に働き、自然万物がこの作用に従っています。人体では、金気作用は肺が司るため、秋は肺を中心に活動しています。そして、この肺気の収斂性を持って冬の寒さに備えます。

味覚では、秋は辛味が司ります。また、辛味は秋の働き、夕方の働きによって作られると推測されます。では、春に辛味のものが作られるのはなぜかと言うと、春でも夕方の働きが辛味を作るからです。その場合の辛味は木系の中で育成される辛味であり、秋に作られる辛味とは多少異なります。

この辛味も、秋の大気と同じように体内に入ると、筋肉や皮膚を収斂・凝結させ、体気を活発に巡らせる働きをします。

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