臓器と色の関係 ー体表の色から健康を読み解く
肺と白色
常色の見分け方
常色とは
常色を見る場合、耳の根元の色が元の色となります。外見でわかるのは耳の元で、漁師などの日焼けした人や雪国の雪焼けした人でも、耳元は比較的体質そのものの色を示しています。これが常色であり、常の色ということです。これに対して一過性の色もあります。恥ずかしいと感じたとき、耳の付け根までパッと赤くなるのが一過性のものです。さらに、一時的に風邪をひいたときなどの色も一過性に入ります。常色が白色の中で、艶や活気があるか、つまり血色が良いか悪いかで健康状態がわかります。
金旺タイプで実証の人は、白い色が主で、特に血色が良い人です。反対に、金旺タイプで虚証の人は、色が白くて血色、つまり艶や活気が少ない人のことです。したがって、非常に色が白いか、または白さの中に紅潤色が含まれているかどうかで心臓の力を知ることができます。心臓の色は赤なので、その色によってわかります。
臓器の色が体表に現れるときは、
- 肝=青
- 心=赤
- 脾=黄
- 肺=白
- 腎=黒
となります。
血色にこれらの色が出るとき、その臓器が盛んに働いているか、または亢進しているときです。したがって、色黒で艶や活気があれば腎旺タイプということになります。また、病的に黒ければ、それは腎疾で、腎が異常亢進している証拠です。
肝の場合、一応青色が出ますが分かりにくく、だいたいの目安として黄が出ているときが肝の亢進しているときです。これは、肝の妻財に当たる脾の黄が、肝から脾に反射して出ています。脾は基本的に受け身の臓器ですが、肝の亢進につられて亢進することが多いです。足の裏が黄色いのは肝の亢進している証拠であり、手のひらが黄色いときはさらに強い亢進を示します。
また、爪に縦筋がある人は、肝がゆっくり慢性亢進していることを示します。紅潤色は違った赤色の顔の人、特に若い人に多いのですが、これは心旺体です。いつも頬が赤い人は、心亢進が肺に影響を与えている人です。右顴骨は肺、左顴骨は大腸を示しています。肺も大腸も兄妹関係にあるので、どちらに出てきても両方に影響し、右は肺、左は大腸の状態を表しています。右顴骨上にピンポン球の大きさの赤色が現れている場合は、肺に熱があることを示しています。
秋は肺旺期で、この季節に痔を発症する人は、肺の力が弱く、そのために兄妹関係にある大腸が弱って痔になります。この場合、全体と比較して色白のときは肺旺タイプなので、相当体力が落ちているか、または肺を痛めつける生活をしているかのどちらかです。もし、赤系の顔色をしている人は心旺タイプで、火剋金で肺を傷めやすい体質ということがわかります。
この記事を読めば、東洋医学について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!
今回の講義の概要
・常色と一過性の色
・一過性の色
・臓器と色の関連