東洋医学講座 349

デージー

肺と辛味 の関係 ー 人体における二・三・五の法則

ひごころ治療院

この記事を読めば、東洋医学について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!

今回の講義の概要

肺気と辛味の関係
経気と皮膚の構造
金と木火の相剋関係

肺と辛味

二・三・五から成る人体

辛味は皮毛・筋・腱を収斂させて肺気を養い、適量の辛金は肺を養います。そして、肺は経気・気の流れを盛んにします。気の流れが不十分なときは、金の相剋である火を恐れます。心火はわずかな問題でも火剋金でたちまち金肺を剋すからです。

経気は表皮と真皮の間を走っています。皮膚は経気をはさんで三層に分かれ、表皮は陰陽の二層に、真皮も陰陽の二層に分かれています。したがって、経気をはさんで五層に分かれていることがわかります。

これは宇宙真理の陰陽、五行、三才の仕組みで、体はどこでも二・三・五から成り立っています。

相学でいう気色は真皮を走り、例えば、人の顔では目尻のしわのあるところを魚尾奸門といいます。また、口は愛情丘といい、女性では性器を示します。これは男性でも同様です。

女性が恋愛感情を持つと、魚尾奸門から愛情丘に気色が走ります。気色は経気の一種で、強く走るため他よりも白く見えます。これを相学では気色といいます。これが裁判問題や父母の問題など難しい問題があると、気色が沢山走ります。そして、この気色が渋滞すると、気色の悪い顔になります。一般に使われている「気色が悪い」という言葉はここから来ています。

鍼灸でいう経気とは、表皮やその下の血管・神経・筋肉に沿って走っています。人体ではそれが六経気、陰陽では十二経があります。

十二経の大元は任脈と督脈であり、これは易経でいう乾為天と坤為地に当たり、この二経の交合によって陽六経と陰六経が分かれます。陰六経は任脈の枝であり、陽六経は督脈の枝です。したがって、任脈・督脈を一経として数えるのはおかしく、普通に数えて十四経としています。

経気は五系組織に沿って五元・六種があります。それが陰陽に分かれて十元・十二種あります。例えば、経気が火剋金になると、血管と一緒に走っている経が血管の流動力の強さにより過熱を生じ、肺気の経気が熱気によって気発・散気して心肺の平衡が破れ、相剋現象として肺気が消耗します。

金と木火の相剋関係をまとめると、金と木の関係では木は妻財で金は官鬼になりますが、木の力が大きくなりすぎると、妻である木が夫である金の言う通りにならなくなり、経気が流れにくくなります。

火と金では火は官鬼、金は妻財の関係にあり、金肺が火の熱に合うと、肺の収斂・凝結の性質が妨げられ、ゆるめられて気の流れが滞ります。例えば、肺疾の人は熱暑を恐れ、秋のような涼気の地に転地療法するのはそのためです。

官鬼は整える力を持ち、人体では抵抗力ともなります。剋害するだけではありません。したがって、適当な官鬼の働きが望まれます。

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