肺と涕(なみだ)の関係 と治療法
東洋医学講座 339
肺と涕(なみだ)
涙は木気、涕は金気の〝なみだ〟
肺虚と涕
ある患者さんで、ナミダが出てしょうがないという人がいます。これは肺虚のナミダであり、涕であり、この場合の治療は肺を補います。しかし、この肺虚がどこからきているのかを知ることが重要です。そのためには、その病が四季のどこで起きたかを知ることが重要です。
もし、肺系の病が秋に起きたのならば、それは先天的に肺旺タイプの人であり、全体の体力ランクを50以下に下げている人です。全体の力が下がると、中心になっている臓に負担がかかり、旺病や心系統に症状が出ます。しかし、肺旺タイプでも力があれば、その人の欠点となっている臓器系統、例えば相剋の肝や心系統に症状が出ます。具体的には、肩や背中、胸の筋肉が引きつるなどの症状です。
秋以外の四季に肺系統の病が出れば、それは先天的または後天的に肺が他の臓に比べて弱く、欠点となっているときです。つまり、どこかの臓にかかった負担が欠点に出るケースです。例えば、春に肺疾が過性に亢進し、その無理が一番弱い肺に出ます。亢進は、その後に必ずマイナスの圧力を生じさせ、ひずみは弱い方へ弱い方へと出ます。
したがって、診察においては、その人の体質、体力、発病の時期を組み合わせて、旺病なのか、弱点に出たものなのかをはっきり見分けることが大切です。旺病ならかなり体力を落としているので、治療も全体の力をあげることを考える必要があります。
この記事を読めば、東洋医学について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!
今回の講義の概要
・肺虚と涕の関係
・四季と肺虚の関係
・診察のポイント