体毛の種類 と働き ー体毛から読み解く健康
東洋医学講座 336
毛の種類と働き
背部・前腕のうぶ毛
背部、とくに肩甲間部や前腕は、横隔膜より上に位置し、肺の状態がよく表れます。肩甲間部には肺の兪穴があり、手には肺経が通っているため、この部位にうぶ毛が多いことは肺気が少ないことを示し、肺虚弱の人に見られます。このような人は肩甲間部の筋肉が硬直しやすく、前かがみの姿勢になりがちです。寝るときには手を縮めてエビ型の姿勢で寝ており、自然に体を丸くして保温しています。背部のうぶ毛が腰まである人は、体質的に虚弱で、腎力も少ないことを示しています。
胸毛
胸毛のある人は無口で気が優しいことが多く、気が弱いことが一般的です。胸毛は本来生えるべきでない場所に生えており、肺気、すなわち覇気が乏しいことを示します。ただし、胸毛だけでは判断できないため、他の五臓の力も参照して総合判断が必要です。同じ胸毛のある人でも総合体力によって違いが生じます。胸毛がなければ肺力が大きくなり、体力ランクが上昇します。
頭髪
頭髪は腎の有余で、肺よりも腎の状態を示します。毛は腎水に所属し、腎水は肺金より生じるため、種類によって肺金や腎水の多さが異なります。頭髪は最も腎化した毛で、頭髪が薄くなるのも白くなるのも腎虚によります。薄くなるのは心火が強く、体熱で頭髪が分解されやすいためで、白くなるのは肺母の虚で金生水の力が弱まるためです。
脛毛(すねげ)
脛毛は足にあり、腎と肝が関与しています。脛毛が多い人は腎力が弱いことを示し、中庸が最も良いとされます。脛毛がほとんどない人は、腎が強いか、生活習慣によって発育が抑えられている可能性があります。脛毛は男性ホルモンと関係しており、脛毛のない男性は優しく、女性的な性格を持ち、脛毛のある女性は男性的で積極的な性格を示します。
陰毛
陰毛は腎と深く関係し、思春期に生えてきます。腎力のバランスがとれていれば適宜に生えますが、腎力の過不足がある場合は毛が濃く、多くなります。
脇毛(腋毛)
腋毛は横隔膜より上にあり、心経の経路にあることから心が関与しています。腋臭の強い人は心が強く、心臓が強くて体が丈夫であることを示します。
この記事を読めば、東洋医学について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!
今回の講義の概要
・毛の分布と健康状態の関係
・毛の種類と性格傾向
・体毛と臓器の関係