現代医学と東洋医学 ーエネルギーとしての人体とその診断法
東洋医学における「気」
現代医学は、人体を形態的・解剖学的に捉え、すべての人体が同じ構造を持ち、同じ力を持って人体だけでなく、すべての物体はエネルギーから成り、物体はエネルギーを発する力を持っています。物体は光の速度とエネルギー密度から成り、物理方程式で表すと M=E/C²、E=MC²(Mは物体の質量、Eは物体の持つエネルギー、Cは光の速度、一秒速30万㎞)です。この公式はアインシュタインが打ち立てた特殊相対性理論から導かれたもので、物質の質量はすべてエネルギーに等しく、そのエネルギーは質量に光速度の二乗をかけた値であると示しています。ごく少量の物質でも膨大なエネルギーに変わりうることを示しており、その成果が地球に様々な恵みを与えている太陽エネルギーの源泉でもあります。
また、『般若心経』には「色即是空、空即是色」と記されています。ここでいう「色」は目に見えるもの(形)、「空」は宇宙のエネルギーを表し、すべての物体はエネルギーから生成されていることを説いています。これにより、「人体はすなわち気なり」ということが認識され、精神作用と生理作用の重要性が改めて認識されます。
このように、人体は気が先行して成り立ち、成熟した人体では心気と肉体が平衡を保ちながら相互に関連し合っています。気が病めば肉体が病み、肉体にゆがみが生じれば心気もまたゆがみます。心と体は相連係して成り立っているのです。
精神が基軸となって病気を発症している場合は、精神を正して安心立命させ、肉体が基軸となっている場合は、その肉体をなす飲食や生活習慣を正し、自然の働きに従うことが重要です。
また、東洋医学の診断においては、形相と気の連係から、顔面や頭髪、目や耳などの五官器、血色、皮膚の艶、活気、声質、せき、呼吸、脈状、肌の弾力や硬軟などを診ることで、体内の五臓六腑をはじめとした各組織の病態を詳細に知ることができます。同様に、治療でも体表に刺激を与えれば組織に連係して刺激が伝達され、内組織の機能が活力を得ます。すなわち、体表からの刺激コントロールにより治癒能力が高まります。
これは、肉体と気の働きが相関し合い、全体の体組織が生々営々と機能しているからです。人体を知るには、形だけでなく、気を含めた全体を知ることが必要です。
この記事を読めば、東洋医学について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!
今回の講義の概要
・物体とエネルギーの関係
・東洋医学における「気」の概念
・診断と治療のアプローチ