鍼治療とは
鍼治療は、体の特定の部位(ツボなど)に鍼を刺すことで、体や内臓のバランスを整え、様々な症状の改善を図る東洋医学の治療法です。この治療法は、古くから多くの人々に親しまれています。
鍼治療の効果が期待できる症状
鍼治療は以下のような症状に効果が期待できます:
- 痛み:肩こり、腰痛、関節痛など
- 神経痛: 三叉神経痛、坐骨神経痛など
- 消化器系:食欲不振、便秘、下痢など
- 婦人科系:生理痛、更年期障害など
- その他:不眠、ストレス、疲労回復など
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鍼治療のメカニズム
鍼を刺すことで、体の自然治癒力を高め、血行を良くし、痛みを和らげたり、自律神経を整えたりする効果が期待されます。
鍼治療を受ける際の注意点
鍼治療を受ける際には、以下の点に注意してください。
- 妊娠中の方や出血しやすい方、ペースメーカーを使用している方などは、事前に医師に相談しましょう。
- 施術後、一時的にだるさや眠気を感じる場合がありますが、通常は数時間で回復します。
- 鍼治療は医療行為ですので、必ず資格を持った鍼灸師に施術を受けましょう。
鍼治療のメリット
鍼治療には以下のメリットがあります。
- 薬を使わないため、副作用の心配が少ない
- 全身的な健康増進に役立つ
- リラックス効果が高い
鍼治療のデメリット
鍼治療には以下のデメリットもあります。
- 痛みを感じる場合がある
- 効果には個人差がある
鍼治療を受ける前に
鍼治療を受ける前に、以下の点を鍼灸師に伝えましょう。
- どんな症状で悩んでいるのか?
- 過去の病歴や服用中の薬など
自分に合った治療法を選ぶために、施術者に相談し、十分な説明を受けることが大切です。
鍼の起源
最も古い原始的な鍼の器具は「へん石」といわれ、石をくだいて尖った部分を使ったり、先端をキリやクサビの形に磨いたりしたといわれています。
主に皮膚や筋肉に刺したり、圧したり、さすったりする機械的刺激で、負傷した時の化膿したの切開、腫瘍部分の切開、瀉血などに用いられていました。
太古の昔には生存するために動物たちと戦うことも多く、怪我をすることが多く、痛む部分に手や道具を使用し、痛みを緩和させていたと考えられます。
「へん石」は以後、時代の流れとともに材質が変化して、金属の鍼と移行したと考えられます。
『黄帝内経』という前漢代に書かれた中国の古い医学書には「へん石による治療は東方の国で発展し、…」とありまして、「…九鍼による治療は南方の国で発展し、伝来した。」と記されています。現代文化史的に中国医学を考察しますと、中国で最も鍼が開けたのは、黄河領域であることから、鍼の起源を黄河文化圏という考え方もあります。
※写真は古代九鍼です。現在でも使用している鍼灸院があります。