今お困りの症状に対して、東洋医学で解消できる可能性があります
当院では、自然現象と人体の関連性を強調し、高いところから低い方へ、温かい方から冷たい方へのように、体の働きが悪ければ熱を作れず、体が冷えるといったメカニズムに着目しています。この冷えた状態は様々な不調を生じさせますが、東洋医学には対策があります。
はりときゅうは、筋肉の緊張を緩めたり、血液やリンパの循環を改善したりすることができます。さらに、体を温めることや免疫力を向上させることで、怪我や手術後の回復力を早める効果も期待されます。そして、ターミナルケアにも対応できる可能性があるとされています。
東洋医学では、体の機能を肝・心・脾・肺・腎の5つの臓器に分けており、これらは西洋医学の臓器とは異なり、様々な機能や外的要因との関連も含んでいます。五臓はそれぞれ特有の機能を持ち、協力しながら健康を保ちます。
例えば、肝は筋肉の調節を含む心身のバランスを保ち、肝のエネルギーが滞ると筋肉のこわばりや精神的なストレスが生じます。一方、腎は生命力の源であり、水分代謝や精の貯蔵、治癒力や回復力を担います。腎の力が弱まると、体力や生殖機能、記憶力に影響が出ます。
鍼灸はこれらの内臓の働きを高めることができます。体内の流れを整え、自然治癒力を高めることで病気の予防や改善を促します。これは東洋医学の長い歴史と実践に基づく治療法であり、五臓の働きをサポートし、全体的な健康を目指します。
鍼の起源
最も古い原始的な鍼の器具は「へん石」といわれ、石をくだいて尖った部分を使ったり、先端をキリやクサビの形に磨いたりしたといわれています。
主に皮膚や筋肉に刺したり、圧したり、さすったりする機械的刺激で、負傷した時の化膿したの切開、腫瘍部分の切開、瀉血などに用いられていました。
太古の昔には生存するために動物たちと戦うことも多く、怪我をすることが多く、痛む部分に手や道具を使用し、痛みを緩和させていたと考えられます。
「へん石」は以後、時代の流れとともに材質が変化して、金属の鍼と移行したと考えられます。
『黄帝内経』という前漢代に書かれた中国の古い医学書には「へん石による治療は東方の国で発展し、…」とありまして、「…九鍼による治療は南方の国で発展し、伝来した。」と記されています。現代文化史的に中国医学を考察しますと、中国で最も鍼が開けたのは、黄河領域であることから、鍼の起源を黄河文化圏という考え方もあります。
写真は古代九鍼です。現在でも使用している鍼灸院があります。
灸の起源
灸の起源は、人類が火を利用し始めたとき、冷え込み痛む部分を火で温めたり、適度に焼かれた石を患部に当てたりして、痛みを緩和させたときに始まったといわれています。
『黄帝内経』という中国の古い医学書には、灸や焼灼療法は、五臓六腑が冷えたときに病気になりやすいという考えのもとで、中国大陸北方の寒い高原地帯の遊牧民の間で発展し、伝来したと記されています。
古代原始社会で芽生えた灸の方法は、時代の移り変わりとともに、火のついた小枝で患部を温めたり、大小さまざまな種類の石を焼いて直接患部を温めたりして病気を治療して治療を行っていましたが、春秋戦国時代(紀元前770年~前221年)に医療器具の改良発展は、灸は「もぐさ」を使用することを考案し、各種の草根や土、鉱物、薬物などがもぐさの材料として試されたのちに、「よもぎ」を使用するようになりました。にんにくや黄土、塩など使用する灸法は痕が残らないため考案されました。
古代の灸の方法は、大きくたくさん壮数を使い、痕が残る有痕灸が主体でありましたが、今日では、灸の痕の残らない無痕灸や筒や器具にもぐさをつめた方法が多く使用されています。