症状
歯そのものに原因のある歯痛は、虫歯か処置した歯の痛みの場合であります。処置した歯の痛みは、詰めた歯や金冠の処置が不完全であったり、そこから虫歯が発生したりしたときに痛みます。
また、神経が完全にとれていないか、あるいは治療が不完全で、歯根膜炎などを起こすと、歯が浮いて、かみしめると痛みが出ます。
その他、歯の周囲の痛みがある場合があり、これは親知らずの場合などで、他の正常な歯の根を圧迫するために痛みを感じます。
歯の痛みの原因が歯以外にある場合は、歯を抜いたときの歯槽骨炎や歯髄炎、さらに炎症が進行して歯の根元を包んでいる膜や組織まで広がり、歯肉の下で膿がたまったりしたとき、あるいは、全身の病気で体力が衰え、抵抗力が落ちたときにはにある慢性の炎症が急性になって痛みが起こります。また、腫瘍、ガンなどが口の中にできると、やはりはも痛みます。
鍼灸治療が効果を示すのは、歯そのものが痛むより、歯に巡っている神経の神経痛様の痛みの場合であります。歯そのものが痛む場合は、ただちに歯科医院に向かってください。
例えば、顔面神経痛が原因で起こる歯痛などにはツボ療法は効果的であります。
治療編
主要なツボ
顔面部 「巨髎」、「大迎」、「頰車」、「下関」、「四白」、「地倉」
後頚部 「翳風」、「天柱」
などがポイントになるツボです。
また、
手部 「合谷」、「曲池」、「孔最」、「内関」
なども歯痛には重要なツボである。
治療法
下歯の痛みには、口の端の斜め下にある「大迎」と耳たぶの下の「翳風」を刺激します。また、瞳の真下の「四白」、鼻孔のそばの「巨髎」もよく処置します。
一方、上歯が痛むのは、上あごをめぐる神経が侵されているためであります。この場合は上記の「四白」と口の際の「地倉」、頰骨近くの「下関」、耳たぶの下の「翳風」が重要なツボになります。「翳風」から「頰車」に向かって響かせると、上歯の痛みに効果的であります。
東洋医学では、歯は大腸と深い関係があると考えられています。したがって、大腸経の「合谷」、「曲池」は歯痛治療には不可欠で、特に、「合谷」は灸治療を行うと効果的で、この場合は米粒大のもぐさを3~5壮行います。
また、大腸経と表裏の関係にある肺経の「孔最」も歯痛には欠かせず、さらに急性症状を和らげる名穴である「内関」もよく刺激します。
この他、後頭部の「天柱」をしっかり刺激をして、頭上に向けて響かせると効果的です。
メモ
鍼治療の場合、各ツボにしばらく置鍼もいい方法であります。また、三叉神経の機能が侵されて起こる歯痛には、鍼麻酔方式で治療を行う方法があります。これは、左右「合谷」に鍼を刺して、刺した鍼を電極として弱い電流を流し、10~15分ほど続けるもので、このような治療を何回か続けると、歯痛が治ります。
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