歯痛

鍼灸が対応できる 歯痛 とその効果

歯痛 は、日常生活に大きな支障をきたす不快な症状です。その原因は多岐にわたり、虫歯や歯周病といった歯科疾患だけでなく、ストレスや顔面神経痛など、身体全体の健康状態が関与している場合もあります。鍼灸治療は、これらの多様な原因による歯痛に対して、効果的なアプローチを提供します

【目次】

1.歯痛の原因と症状
2.歯痛の鍼灸治療
 ・主要なツボ
 ・治療法
 ・治療の注意点
3.自宅でできるセルフケア法
4.歯周病と鍼灸治療の関係

歯痛の原因と症状

歯そのものに原因のある歯痛は、虫歯処置した歯の痛みの場合であります。処置した歯の痛みは、詰めた歯や金冠の処置が不完全であったり、そこから虫歯が発生したりしたときに痛みます。

また、神経が完全にとれていないか、あるいは治療が不完全で、歯根膜炎などを起こすと、歯が浮いて、かみしめると痛みが出ます。

その他、歯の周囲の痛みがある場合があり、これは親知らずの場合などで、他の正常な歯の根を圧迫するために痛みを感じます。

歯が痛む女性

歯の痛みの原因が歯以外にある場合は、歯を抜いたときの歯槽骨炎歯髄炎、さらに炎症が進行して歯の根元を包んでいる膜や組織まで広がり、歯肉の下で膿がたまったりしたとき、あるいは、全身の病気で体力が衰え、抵抗力が落ちたときに、歯にある慢性の炎症が急性に変わり痛みが起こります。また、腫瘍ガンなど口の中にできる場合でも痛むことがあります。

鍼灸治療が効果を示すのは、歯そのものが痛むより、歯に巡っている神経などの神経痛様の場合であります。歯そのものが痛む場合は、直ちに歯科医院においでください

例えば、顔面神経痛が原因で起こる歯痛などにはツボ療法は効果的であります。

歯痛の鍼灸治療

鍼灸治療は、歯痛に対して、即効性のある痛みの緩和が期待できます。

主要なツボ

顔面部  「巨髎」、「大迎」、「頰車
     「下関」、「四白」、「地倉
後頚部  「翳風」、「天柱

などがポイントになるツボです。

また、

手部  「合谷」、「曲池」、「孔最
    「内関

なども歯痛には重要なツボである。

治療法

下歯の痛みには、口の端の斜め下にある「大迎だいげい」と耳たぶの下の「翳風えいふう」を刺激します。また、瞳の真下の「四白しはく」、鼻孔のそばの「巨髎こりょう」もよく処置します。

一方、上歯が痛むのは、上あごをめぐる神経が侵されているためであります。この場合は上記の「四白」と口の際の「地倉ちそう」、頰骨近くの「下関げかん」、耳たぶの下の「翳風」が重要なツボになります。「翳風」から「頰車きょうしゃ」に向かって響かせると、上歯の痛みに効果的であります。

東洋医学では、歯は大腸と深い関係があると考えられています。したがって、大腸経の「合谷ごうこく」、「曲池きょくち」は歯痛治療には不可欠で、特に、「合谷」は灸治療を行うと効果的で、この場合は米粒大のもぐさを3~5壮行います。

また、大腸経と表裏の関係にある肺経の「孔最こうさい」も歯痛には欠かせず、さらに急性症状を和らげる名穴である「内関ないかん」もよく刺激します。

この他、後頭部の「天柱てんちゅう」をしっかり刺激をして、頭上に向けて響かせると効果的です。

治療の注意点

鍼治療の場合、各ツボにしばらく置鍼もいい方法であります。また、三叉神経の機能が侵されて起こる歯痛には、鍼麻酔方式で治療を行う方法があります。これは、左右「合谷」に鍼を刺して、刺した鍼を電極として弱い電流を流し、10~15分ほど続けるもので、このような治療を何回か続けると、歯痛が治ります。

自宅でできるセルフケア法

自宅でできるセルフケアとしては、お灸やツボ刺激があります。お灸は、ツボを温めることで血流を改善し、痛みを緩和しますが、火を使うため安全に注意が必要です。ツボ刺激は、指圧やマッサージで合谷や下関などを気持ち良いと感じる程度の強さで押すと効果的です。また、規則正しい生活、バランスの取れた食事、適度な運動、リラックスできる時間を持つことも大切です。

歯周病と鍼灸治療の関係

歯周病に対しても、鍼灸治療は炎症を抑え、痛みを緩和し、免疫力を高めて進行を遅らせる効果が期待できます。自律神経のバランスを整えることで、免疫力を高め、歯周病を予防することも可能です。

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