腕のしびれ

症状

登山などで重い荷物を長く背負い続けたり、肉体労働をしたりすると、腕がしびれて動かせないことがあります。

これは首のつけ根から腕のつけ根、わきの下、さらに腕に行く神経が途中で強く圧迫されたために起こる腕神経叢の神経麻痺の一種であります。上位型といわれる、腕のつけ根や肩、肩甲帯、上腕の筋肉麻痺で、肩や腕を動かしたり曲げたりできなくなる場合と、下位型といわれる、ひじから手にかけて筋肉が麻痺して、手首や指が動かなくなる場合があります。

多くの症状は神経が変性するほどの重症でもないので心配はないですが、しびれが腕や手全体に及ぶ場合は、脊髄の病気であるおそれがあり、また、腕や手の内側がしびれる、あるいは手の外側だけしびれる場合には、糖尿病や動脈硬化、高血圧症などによることがあるので、一応専門医で検査をすることをお勧めします。

しびれが片足全体まで及んだら、まず脳の障害によるしびれと考えていいでしょう。

鍼灸治療

主要なツボ

後ろ首  「大椎
肩部   「肩井」、「肩髎
胸部   「雲門」、「中府
背部   「天宗」、「腎兪
腕部   「臂臑」、「少海」、「尺沢」、「神門」、「太淵」、「曲池」、「陽池

などが主なツボになります。

治療法

前処置として、蒸しタオルか肩用のホットパックで、肩から腕全体を包み、15~20分くらいよく温める。

温まったところで、後ろ首から肩先の経路、次いで肩甲骨の内へり、さらに肩甲棘の上下の経路を刺激します。

次いで、腕のつけ根、二頭筋、背側の三頭筋、ひじから親指側手首までの経路、前腕親指側のやわらかい筋群の経路、前腕の手背側の筋群の経路、以上を、上記のツボを中心に刺激します。

最後に、治療をした人は、患者の腕を強く引っぱって、軽くふるわせます。

メモ

腕のしびれ、麻痺が長い間続くと、関節がかたくなって変形することがあります。それを防ぐために以下のような運動をします。

①ひじを曲げて・伸ばす運動を各10回
②前腕を内側・外側にひねる運動を各10回
③手首を手のひら側・手の甲側に曲げる運動を各10回
④手首を親指側・小指側に曲げる運動を各10回

行います。

腕のしびれ、麻痺には低周波電気治療、温泉浴、超短波などの物理療法を併用すると効果が倍増します。

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