鼻血の原因 ー注意すべきサインと鍼灸治療
症状
鼻血が出る原因、または誘因として最も多いのは、鼻自身の病気というよりは、外部から加わった力による傷で、特に多いのが指で鼻をほじって傷つけたことによるものであります。
特に、子供では鼻の入り口からすぐに近くの鼻中隔の部分に小さな血管がたくさんあって、指でいじると簡単に出血します。このような場合は、鼻を脇から押さえていると、間もなく止まるのが普通です。
たまに1回か2回に軽い出血は心配ないですが、これを繰り返すようでしたら、耳鼻科を受診した方がよいでしょう。
その他、鼻を打ったとか、鼻に異物が入ったなどの原因で、鼻出血が起こることもあります。
成人の場合は、子供の場合とは事情が異なります。気を付けなければならないのは、全身的な循環器障害の一つの症状として、突然出血してくるもので、高血圧や動脈硬化によるものなどがそれであります。
頭を上げていても前の方に流れ、口にも血が回るときなどは、血圧が高くて大きな血管が切れた場合や、あるいは血液の病気や腫瘍が原因の場合などがあるので、専門医の診断を受けて、原因となる病気の治療が必要であります。
大出血があるときは、まず安静にして、一応出血が止まってから、流れた血で息が止まらないように注意しつつ、診断を受けることであります。
その他に、外傷もなく、病気でもないのに、突然鼻出血する場合があります。これを突然性鼻出血といい、ストレスなどが原因となります。自律神経が不安定になっているために、ちょっとした刺激で鼻血が出やすくなるのであります。
いずれにしても、出血がたびたび起こるようであれば、専門医に診察してもらうことが先決であること言うまでもありません。
鍼灸治療
主要なツボ
後頭部 「天柱」、「風池」
前髪際 「上星」
鼻 「迎香」
前腕 「温溜」、「合谷」
背中 「大椎」、「身柱」
などが治療の対象となります。
治療法
鼻血が出たときは、 鼻血の原因 が何であれ鍼灸治療がよく効きますが、まずはゆっくり落ち着き、椅子に腰かけながらやや頭を前かがみにして、鼻をしっかりとつまむのが一番良い方法です。4~5分じっとしていれば、大抵の鼻血は止まります。
鼻出血の際、仰向けに寝かせることもありますが、これは血が喉をふさぎ、呼吸困難に陥る危険があるので、絶対にしないでください。
上記のように応急処置の後に、「天柱」、「風池」を刺激します。加えて頭の「上星」を刺激しますと、いっそう有効であります。
次に「迎香」を刺激します。続いて「温溜」、「合谷」、「大椎」、「身柱」などを治療します。
鼻血の出やすい人は、日頃から「天柱」、「風池」、「上星」、「迎香」を指圧していますと、鼻血の出やすい体質を改善することが出来ます。親指か人差し指の腹で、各ツボを5~6秒、3㎏くらいの力で圧迫し、これを3回繰り返します。
メモ
鼻血が出やすい体質の人は、灸治療を行っていると、いっそう効果があります。
その方法は手の「合谷」、足の「足三里」に半米粒大のもぐさを3~5壮毎日すえます。
また、粒鍼法も誰でもできて、しかも安全で効果がある方法です。「天柱」、「風池」、「上星」、「合谷」に貼り、3~4日そのままにします。その後、また3~4は貼らず休みます。一度に全てのツボに貼らず、交代で分けて貼れば効果は持続します。
血圧が高いための鼻出血は…
血圧が高いと、鼻出血しやすいものですが、それだけに、血圧そのものとそれに伴う全身症状を取り除くことが大切であります。
血圧を下げる、高血圧に伴う頭痛やのぼせ、肩こりなどをしずめるために、頭頂の「百会」、ぼんのくぼの「風府」、その近くの「天柱」、「風池」、「百会」の両脇にある「目窓」などを刺激します。のど仏の近くの「人迎」も血圧を下げるのによく効きます。
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