肋間神経痛

肋間神経痛の原因 ーその症状と見分け方、鍼灸治療

症状

肋間神経痛の原因

肋間神経は、胸の肋骨に沿って、背中から脇腹を経て胸の前まで走っています。肋間神経痛は、この神経に沿って、お腹に帯状または半環状に、強い痛みが発作的に起こります。

脊椎の病気や肋膜の癒着など、肋間神経痛の起こる原因がはっきりしている場合もありますが、不明の場合も少なくありません。

筋肉からくる胸痛と、肋間神経痛の見分け方は、息を吸うときに痛く、吐くときにには比較的楽になるのが肋間神経痛であります。その痛みは、胸の左側(右側のこともある)、乳の下から脇腹にかけて、更に背中から腹にかけてツーンとくるような痛みが特徴で、呼吸に伴って痛みは感じるのに、肩や腕を動かしても痛くなければ、明らかに肋間神経痛の症状であります。

上記のように、胸痛は他の病気と見分けることが大切で肋間神経痛だと思い込んでいたら、肋膜炎狭心症だったという例も少なくありません。

真性の肋間神経痛には、3カ所の特徴のある圧痛点があります。

  1. 背骨のすぐ脇
  2. わきの下
  3. 胸骨のすぐ脇、または腹直筋のすぐそば

の軽く圧しただけで耐えられないほどの痛みがある点、がそれであります。これらの三つの圧痛点は、とりもなおさず治療上のポイントになります。

鍼灸治療

主要なツボ

  1. 背骨のすぐ脇
  2. わきの下
  3. 胸骨のすぐ脇、または腹直筋のすぐそば

の圧痛点が治療点となります。これらの圧痛点の位置は、多くのツボと一致しますが、ツボにこだわらず治療をします。

治療法

痛む方の脇腹を上にして横に寝ます。

最初に背骨のすぐ脇の圧痛点をさぐり、各々刺激します。背中の中心が特に痛む場合は、圧痛点の他に「肺兪」、「心兪」、「膈兪」、「肝兪」などを加えて刺激します。

続いて、脇の下に刺激します。脇の下は強く刺激しないように注意します。

次に、胸骨のすぐ脇、または腹直筋のすぐそばの圧痛点を探し、刺激します。胸が強く痛む場合は、「欠盆」、「中府」、「神封」、「膻中」などを、お腹が痛む場合は「幽門」、「肓兪」などを加えます。

最後に、患者を座らせ、両脇の下に腕を差し伸べて静かに深呼吸をさせます。深呼吸に合わせて両脇の下に差し伸べた腕で、胸の上下運動を助け、5~6回行います。静かにゆっくりと痛む神経を伸ばすイメージで行います。

メモ

治療の後に痛みの強いところにマグレインなどの粒鍼を貼っておくと、治療効果が持続します。また、ドライヤーなどで温める熱風治療でも痛みはかなり和らぎます。

肋間神経痛には鍼治療が一番効果があります。上記の圧痛点やツボへ施鍼します。なお、低周波電気療法でも効果はあります。

胸がつっかえる場合は…

胸がつっかえる場合、胸苦しくてつっかえるケースとみぞおちがつっかえるケースがあります。

前者の場合は、胸の「膻中」が重要でこのツボを刺激します。次いで、背中の「厥陰兪」、「膏肓」、手の「内関」、「郄門」を刺激します。

後者の場合は、腹部の「鳩尾」、「巨闕」、「不容」、「中脘」、「天枢」を刺激します。背中は「肝兪」、「胆兪」、「脾兪」、「胃兪」、足の「足三里」、「三陰交」を刺激します。指圧でも構いません。

背中が痛い場合は…

この場合はどのツボというのではなく、背骨の両側を縦に走っている筋肉を、首のつけ根から臀部まで、丁寧に刺激します。特に痛む個所は念入りに刺激します。

第1胸椎のかたわらにある「大杼」は背中の痛い場合に欠かせないツボであります。ここには必ず刺激します。

体からのSOS

軽い運動で左胸が痛む・・・狭心症

休めば治る胸の痛みはやばい兆候

心臓は、全身に血液を送りながら、自身にも血液を送ってもいます。24時間働き続けるために多くの酸素と栄養が必要な心臓には、自身専用の血管が3本もあります。その欠陥が動脈硬化を起こしますと、狭心症になる恐れがあります。

狭心症とは、動脈硬化によって心臓の血管が狭くなり、血液や酸素がうまく心臓の筋肉に送られなくなってしまう状態です。動脈硬化は、加齢によっても起こりますので、歳をとれば誰もがそのリスクを抱えることになります。

狭心症になりますと、心臓尾動きが穏やかなときは大丈夫でも、激しい運動をすると、狭くなった血管では酸素を十分に送りきれなくなります。そのため、安静時は何もないのに、急に駅の階段などを駆け上がると、心臓がある左にウッと絞めつけるような痛みが襲うことがあります。最悪の場合、狭心症が引き金になって心筋梗塞が起こり、死に至ることさえあります。

狭心症は、ある程度動くと痛くなり、それが繰り返される病気です。とくに、休めば痛みが治まるというのは危険なサインです。病院で診察を受けるときは、ジョギングを5分くらいするといつも痛みますなどと、具体的な運動量を離すと、狭心症のレベルが分かって、治療が早く進みます。

狭心症の診断については、これまでは心臓の冠動脈に細長い管を通して造影剤を流し込み、X線撮影をする心臓カテーテル検査が一般的でした。しかし、最近ではCTが進化し、造影剤を注射して、心臓の血管を超高速撮影するとほぼ状態が分かるようになっています。

心配な人は、一度CT検査に対応している循環器内科に行き、どれくらい心臓の血管が狭くなっているかを撮ってもらうといいでしょう。

狭心症は、繰り返す病気ですが、初回の発作が命取りになるケースもあります。少し動いて左胸が痛くなるようでしたら、できるだけ早めに病院を受診することをお勧めします。

なお、狭心症と心不全の違い、狭心症では胸の痛みが起きて、心不全では息切れがあらわれる点です。また、ピンポイントで胸のココが痛いと指をさせる場合は、心臓病ではなく肋間神経痛の場合であることが多いといわれています。どんな場合でも、胸の痛みは念のために病院に行くことをお勧めします。

予防のアドバイス

狭心症の主な原因は動脈硬化です。血管を攻撃するタバコやお酒を控え、適度な運動を心がけましょう。

何科に行くべき?

内科/循環器内科

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