脱臼

脱臼

脱臼の治療法
症状別の対処法と注意点、
鍼灸による回復サポート

「スポーツ中に肩が外れた…」
「転んだ際に、

関節が変な方向に曲がってしまった…」

関節に強い力が加わり、骨が本来の位置からずれてしまう脱臼だっきゅうは、激しい痛みを伴う重大な怪我です。 この記事では、脱臼がなぜ起こるのか、その原因と症状、そして何よりも大切な専門医による整復後の回復期において、鍼灸治療がどのように痛みの緩和や機能回復をサポートできるのかを詳しく解説します。

【目次】

1.脱臼とは?
~その原因と主な症状~

脱臼の治療法

脱臼とは、関節の損傷が捻挫よりも高度で、関節をつくっている二つの骨の一部が、関節を包む袋(関節包)を突き破って完全にずれてしまう状態を指します。

  • 主な原因
    スポーツでの接触プレーや転倒、交通事故など、関節に強い外力が加わることで発生します。
  • 起こりやすい部位
    肩関節が最も多く、その他、肘(ひじ)関節、膝関節、指関節、足関節、股関節などにも起こりやすいです。
  • 主な症状
    • 激しい痛み
      骨折ほどではない場合もありますが、通常、強い痛みを伴います。
    • 著しい機能障害
      関節で骨がずれているため、関節を正常に動かすことができなくなります。
    • 関節の変形
      外から見ても、関節の形が変形しているのが分かります。
      (例:肩の脱臼では、肩の丸みがなくなり、平坦に見えることがあります。)
    • 弾発性固定だんぱつせいこてい
      他人が腕などを動かそうとしても抵抗を感じ、多少動かせても、手を離すとすぐに元の異常な位置に戻ってしまう状態が見られます。
    • 腫れ
      時間が経つにつれて、患部が腫れてきます。

2.【最重要】脱臼したら
まず何をすべきか?

脱臼は放置すると、腫れや筋肉の損傷を悪化させ、整復が困難になるため、なるべく早く徒手整復術としゅせいふくじゅつを受ける必要があります。

無理に自分で戻そうとせず、速やかに整形外科などの専門医に任せるべきです。 自己流で整復しようとすると、血管や神経をさらに傷つけてしまう危険性があります。

専門医による整復後、急性期(約12時間)には炎症を抑えるために冷罨法(アイシング)などが行われます。急性期が過ぎ、症状が落ち着いたら、今度は逆に温罨法(温めること)で血行を促進し、回復を促す段階に移行します。

3.回復期における鍼灸治療の役割

専門医による整復後、急性期の症状が消えてから、残る痛みや腫れ血腫(内出血の塊)、関節の拘縮こうしゅく(固まって動きにくくなること)、組織の癒着ゆちゃくなどに対して、鍼灸治療は大きな役割を果たします。

  • 鍼灸が回復をサポートする仕組み
    • 痛みの緩和
      鍼や灸の刺激により、長引く鈍い痛みを和らげます。
    • 血行促進
      患部やその周辺の血流を強力に促進し、血腫やむくみの吸収を早め、損傷した靭帯や筋肉の修復に必要な栄養を供給します。
    • 筋緊張の緩和
      怪我によってこわばった周囲の筋肉の緊張を緩め、関節の動きをスムーズにします。
    • 可動域の改善サポート
      鍼灸治療と合わせて、リハビリ(他動運動、自動運動など)を行うことで、関節の機能回復を効果的にサポートします。

ひごころ治療院では、医師の診断と治療方針を尊重し、整復後の回復期におけるサポートとして、あなたの状態に合わせた最適な鍼灸治療をご提案します。

4.日常生活での注意点とリハビリ

脱臼後の回復と再発予防には、専門家の指導のもとでのリハビリと、日常生活での注意が不可欠です。

  • 安静と固定
    整復後、医師の指示に従い、一定期間はサポーターや三角巾などで関節を安静・固定することが重要です。
  • 段階的なリハビリ
    関節の運動制限に対しては、治療と並行して、専門家の指導のもと、細心の注意を払いながら他動運動(施術者が動かす)、徒手矯正、そしてご自身で動かす自動運動などを、適切な時期から適宜行っていきます。
  • 自己判断は禁物
    痛みが和らいだからといって、自己判断で急に運動を再開したり、無理な動かし方をしたりすると、再脱臼(脱臼がクセになる)のリスクが高まります。必ず専門家の指示に従いましょう。

ひごころ治療院では、つらい症状の緩和はもちろん、後遺症を残さず、再発させないための身体づくりと生活習慣のアドバイスまで、トータルでサポートさせていただきます。

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