変形性腰椎症の対策
症状
腰が痛いという症状には、腰だけではなく、足やひざが痛んだり、しびれたりする場合があります。これはほとんど椎間板症といって、背骨の間でクッションの役割をしているスポンジ様の組織である椎間板が変形したためか、変形性腰椎症という中年以降の骨の老化によって腰椎が変形したためのどちらかによって引き起こされた症状であることが多いです。
特に変形性腰椎症の場合は、ひざの関節の老化による変形性膝関節症とともに、中年以降の女性の半数以上にみられます。
しかし、このケースは骨の変形が老化という抗しがたい原因に根ざしているので、すっかり治すことはできません。しかし、痛みやしびれの症状が出ている段階では、こまめに対処して、神経の刺激による痛みやしびれを抑え、治療によって日常生活を円滑にはできます。
鍼灸治療
主要なツボ
腰部 「三焦兪」、「志室」、「腎兪」、「大腸兪」
臀部 「上髎」、「次髎」
足部 「殷門」
腹部 「大巨」
などがポイントになります。
治療法
前処置として、緊張をとるために、蒸しタオルやホットパックなどで腰を温めます。ホットパックを使用する際は、重みで痛みが増すことがあるので注意します。
うつぶせで、「三焦兪」、「腎兪」、「志室」、「大腸兪」、「次髎」などを中心に治療をします。
さらに、太ももの裏の「承扶」、「委中」、「承山」などを治療します。
変形性腰痛症では、その他に老化を予防するために、腹部の「肓兪」、「大巨」を刺激します。ショウガ灸を行うのも効果があります。
足に痛みがある場合は、手の「合谷」、足の「陰陵泉」、「三陰交」を刺激します。
ぎっくり腰のクセのある人は…
ぎっくり腰を何度も繰り返す人は、根本的に変形性腰椎症であることが疑われます。ぎっくり腰が起こりそうなときは、何となく腰がうすら寒い、足が冷える、ひざがガクつくなど前兆があるので、そのような場合は、風呂に入って腰を温め、早く休むとともに、「志室」のツボを普段からもむとよいでしょう。
体からのSOS
心当たりのない腰痛が続く
老人性うつ、うつ病
腰痛といえば、ぎっくり腰や腰椎ヘルニアを疑うのが普通です。しかし、原因が全く思い当たらず、慢性的な腰痛がずっと続く場合は、心因性の痛みが疑われます。最近の研究で腰痛の中には、うつ病からくるものが意外に多いこと分かってきました。
うつ病は感情の振り幅が大きくなる病気です。誰にでも感情の起伏はありますが、それが極端に下振れして、悲観的になってしまうのがうつ病、上向きにやたら楽観的に振り切ってしまうのが躁病です。
うつ病は、几帳面で真面目な人ほどなりやすいといわれています。何でもきちんとこなせる人が、こなしきれなくなったとき、こんなはずはない、何とかしないと、と焦り、頑張り過ぎてしまうと、しだいに心がすり減ってしまいます。その結果、眠られなくなったり、食べられなくなったり、何に対してもやる気が起きなくなります。
中には、頭痛や肩こりなど体の痛みとしてうつ症状があらわれる人もいます。精神的なストレスなどが原因で自律神経や内分泌系が異常をきたし、ズキズキとうずくような痛みが出ることがあります。その心因性の痛みで一番あらわれやすいといわれているのが腰痛です。腰痛は心な叫びといっても過言ではないでしょう。
最近では、65歳以上の高齢者がうつ病にかかる老人性うつも話題になっています。定年退職やそれに伴う生活リズムの変化、子供の独立など、環境の変化によるストレスが大きな要因のようです。特に、仕事一筋で頑張ってきた人は、一気にやることがなくなり、活力を失ってしまう危険性があります。
また、老人性うつの原因として、脳機能の低下もあります。加齢とともに脳の血流が悪くなり、意欲が低下します。血流を整えるためには、適度な運動が大切になります。老人性うつは放っておくと、活動が減り、筋力が落ちて寝たきりになることもあります。症状がひどい場合は、病院で診察を受け、薬物療法も検討します。
なお、老人性うつは認知症と間違われることもありますが、症状は似ていても違いは明確です。うつの場合は、ボーっとしていますが、記憶障害はありません。また、認知症では食欲がありますが、うつでは食欲がない傾向にあります。
何科に行くべき?
診療内科/精神科/鍼灸院
コメントを残す