冷え症改善 !鍼灸で温活ー体質改善と健康なカラダへ
【目次】
1.冷え症の原因と症状
2.冷え症の鍼灸治療
・主要なツボ
・治療法
・足が冷えて困る場合は、太もものつけ根を10秒押す!
冷え症の原因と症状
冷え症は、それだけでは命にかかわる病的状態ではないため、本格的な研究は非常に少ないです。
一般的に、寒がりだけというのではなく、腰や手足にだけ冷え込む感じが強い状態を、冷え症といっているかと思います。また、冷えるだけではなく、頭痛、イライラ、のぼせ、めまいなどの症状を伴ったものを冷え症と捉える場合もあります。
冷え症は日本人に特に多いといわれ、それも女性に圧倒的に多くみられます。
冷え症の人が、冷えると感じている部分の皮膚の温度を測定してみると、確かに普通より低温であることが多いです。ただし、人によっては低温ではないのに、強い冷えを訴える場合もあります。また、手足がかなり低温であるにもかかわらず、自覚的に冷えを訴えない人もいます。
本来、人間のからだは、脳や胸部、腹部などの体腔内の温度は常に一定で、36.5℃を保とうとしています。この温度を保とうとして働くのが血液です。外気温が低い冬になると、優先的な脳や体腔内の温度を一定に保つため、腕や足の皮膚や筋肉の血液を吸い上げて、脳や体腔内の血液量を増やし、暑い夏のような外気温が高いときには、血液の多くは腕や足、胴体の皮膚表面を流れて、いらない熱を汗とともに放散させます。
つまり、人間のからだは暑さ、寒さに応じて体内の血液分布を絶えず変化し、体腔内の温度を調整しています。
この調整機能がくるうと、部分的に血液量が不足したり、状況によっては多く流れたりといった症状が起こります。
これを「冷え」や「のぼせ」といい、東洋思想では大変重視します。
冷え症の原因についてはいろいろな説がありますが、その要因は自律神経の機能が不調になるためといわれ、その誘因として、内分泌障害や、皮下脂肪がたまることによる熱の放散があげられます。冷え症の人の多くが、神経質でやせ型、女性では、更年期に多いということからもその理由が分かります。
冷え症の鍼灸治療
主要なツボ
治療として活用するツボは、自律神経の機能を正常に保つことを目的に刺激します。
が主なツボとなります。
治療法
灸はとても効果があります。上記のツボに、米粒大のもぐさを、1ヶ所に3~5壮すえます。5日続けて2日休む方法で、少なくとも1ケ月続けます。
上記のツボの他に、臀部の「膀胱兪」、「胞肓」も治療に用いると、非常に有効であります。この2つのツボは、骨盤内の血液循環を改善するために用います。特に「胞肓」は、その位置を解剖学的に見ますと、ちょうど足に綱が太い動脈の分岐点にあたります。「胞肓」のツボ刺激は、この血管の血流を促進させるため、冷え症の治療にうってつけのツボになります。この2つのツボには」、灸の場合、10~15壮すえます。
足が冷えて困る場合は、太もものつけ根を10秒押す!
まず、椅子に浅く腰かけて、太もものつけ根を指で触れると、大腿動脈が脈打っているところがあります。その上に親指がくるようにして、手のひらを当て、上体の体重をかけるような気持ちで、約10秒間、親指を強く押し、大動脈を圧迫して、パッと指を離します。これを5~6回続けると、足先が温まります。
背部 「厥陰兪」、「腎兪」、「大腸兪」
「次髎」
胸・腹部 「膻中」、「肓兪」、「天枢」
「大巨」