冷え症

冷え症改善!鍼灸で温活 ー 体質改善と健康なカラダづくり

冷え症

「手足がいつも冷たい…」
「冬はもちろん、夏でもクーラーで身体が冷え切ってしまう…」
「冷えが原因で肩こりや頭痛、生理不順も気になる…」

そんなつらい冷え症でお悩みではありませんか?

冷え症は、単に「寒がり」というだけでなく、様々な身体の不調を引き起こす原因となることがあります。

このページでは、冷え症がなぜ起こるのか、その原因と症状、そして東洋医学に基づく鍼灸治療によるアプローチ、ご家庭でできる温活ケアについて詳しくご紹介します。

【目次】

寒がる女性
  1. あなたの「冷え」はどのタイプ?~冷え症の原因と様々な症状~
    • 冷え症とは?(定義と誤解)
    • なぜ身体は冷えるのか?(体温調節のメカニズムと自律神経の役割)
    • 東洋医学で考える「冷え」と「のぼせ」
    • 冷え症になりやすい要因
  2. 冷え症に対する鍼灸治療
  3. ご家庭でできる冷え症対策:簡単セルフ温活ケア
    • 足が特に冷えてつらい時の応急処置:太もも付け根の温圧法

1.あなたの「冷え」はどのタイプ?~冷え症の原因と様々な症状~

冷え症とは?(定義と誤解)

冷え症は、医学的に明確な病名として定義されているわけではなく、本格的な研究も比較的少ないのが現状です。 一般的には、単に「寒がり」というだけでなく、腰や手足の先などが特に冷たく感じられ、それが不快な症状を伴う状態を指すことが多いでしょう。 また、冷えだけでなく、頭痛、肩こり、イライラ感、のぼせ、めまい、生理不順、便秘、不眠など、様々な全身症状を伴う場合も「冷え症」と捉えられることがあります。

冷え症は日本人に特に多いと言われ、中でも女性に圧倒的に多く見られる傾向があります。 実際に、冷えを訴える方の冷えている部分の皮膚温度を測定すると、健常な方より低いことが多いですが、中には皮膚温度がそれほど低くないにも関わらず強い冷えを感じる方や、逆に手足がかなり低温でも冷えを自覚しない方もいます。

なぜ身体は冷えるのか?(体温調節のメカニズムと自律神経の役割)

私たちの身体は、脳や胸部、腹部といった身体の中心部(体腔内)の温度を常に一定(約36.5℃)に保とうとする精巧なメカニズムを持っています。この体温調節に重要な役割を果たしているのが血液です。

  • 寒い時(外気温が低い場合)
    身体は、まず生命維持に不可欠な脳や内臓などの中心部の温度を保つことを優先します。そのため、手足の末端や皮膚表面の血管を収縮させ、そこを流れる血液量を減らし、身体の中心部に血液を集めて体温を維持しようとします。
  • 暑い時(外気温が高い場合)
    逆に、身体にこもった余分な熱を効率よく放散させるため、手足や体表面の血管を拡張させ、そこを流れる血液量を増やし、汗とともに熱を体外へ逃がします。

このように、私たちの身体は、暑さや寒さに応じて体内の血液分布を絶えず変化させ、体腔内の温度を巧みに調整しています。 この血液分布の調整機能が何らかの原因でうまくいかなくなると、身体の一部分だけが慢性的に血行不良に陥り、血液量が不足したり、逆に状況によっては一部に血液が過剰に集まったりといったアンバランスが生じます。 これが、東洋医学でいうところの「冷え」や「のぼせ」といった状態であり、身体の不調の大きな原因となると考え、非常に重視します。

冷え症になりやすい要因

冷え症の原因については様々な説がありますが、その主な要因の一つとして、自律神経の機能不調が挙げられます。自律神経は血管の収縮・拡張をコントロールしているため、そのバランスが乱れると血行不良が起こりやすくなります。 その他、冷え症を誘発・悪化させる要因としては、

  • 内分泌(ホルモン)の乱れ
    特に女性ホルモンの変動は自律神経にも影響を与えやすいです。
  • 皮下脂肪の蓄積
    皮下脂肪が多いと、熱が体内にこもりやすく、逆に末端への血流が悪くなることがあります。
  • 体質的要因
    神経質で感受性が高い方、やせ型で筋肉量が少ない方。
  • 生活習慣
    運動不足、不規則な食生活、睡眠不足、ストレス、喫煙など。
  • 服装や環境
    薄着、締め付けの強い下着、冷房の効きすぎた環境など。

冷え症の方が、神経質でやせ型であったり、女性では更年期に症状が悪化したりしやすいことからも、これらの要因が複雑に関与していることがうかがえます。

2.冷え症に対する鍼灸治療

ひごころ治療院では、東洋医学の考え方に基づき、冷え症を単なる「冷え」としてだけでなく、その背景にある身体全体のアンバランスと捉え、根本的な体質改善を目指す温活アプローチを行います。

鍼灸治療が冷え症改善に効果的な理由

鍼灸治療は、自律神経の機能を正常に保ち、全身の血行を促進することで、冷え症の改善を目指します。

  • 自律神経の調整
    鍼や灸の刺激は、自律神経のバランスを整え、血管の過度な収縮を和らげ、末梢血管の血流を改善する効果が期待できます。
  • 血行促進・温熱効果
    特に灸治療は、ツボに温熱刺激を加えることで、局所および全身の血行を促進し、身体を芯から温めます。
  • 内臓機能の活性化
    東洋医学では、冷えは「じん」や「」といった臓腑の機能低下と深く関わると考えます。関連するツボを刺激し、これらの内臓機能を高めることで、身体が熱を生み出す力をサポートします。
  • ホルモンバランスの調整サポート
    女性ホルモンの乱れが関与する冷え症に対して、関連するツボへの刺激がホルモンバランスを整える手助けとなることがあります。
  • 筋肉の緊張緩和
    冷えによってこわばった筋肉をほぐし、さらなる血行改善を促します。

冷え症ケアに効果が期待できる主要なツボの例

冷え症のタイプや体質に合わせて多くのツボを使い分けますが、代表的なものには以下のようなツボがあります。

背部   「厥陰兪けついんゆ」、「腎兪じんゆ」、「大腸兪だいちょうゆ
     「次髎じりょう

胸・腹部 「膻中だんちゅう」、「肓兪こうゆ」、「天枢てんすう
     「大巨だいこ

具体的な鍼灸治療法(お灸を中心とした施術)

冷え症の治療には、お灸(灸治療)が特に効果的です。

上記のツボの中から、その方の症状や体質に合わせて最適なポイントを選び、米粒の半分程度の大きさのもぐさを、1カ所につき3~5壮すえます。

治療の頻度としては、例えば5日間続けて施術を行い、その後2日間休むといったサイクルで、少なくとも1ヶ月以上継続することで、体質の変化を実感しやすくなります。

  • 背部・腰部のツボへのアプローチ
    背中にある「厥陰兪」、「腎兪」、「大腸兪」や、仙骨部にある「次髎」などは、自律神経を整え、全身の血行を促進し、特に下半身の冷えに効果的です。 さらに、臀部にある「膀胱兪ぼうこうゆ」や「胞肓ほうこう」といったツボも、骨盤内の血液循環を強力に改善するために非常に有効です。 特に「胞肓」は、解剖学的に見ると、足へ向かう太い動脈の分岐点近くに位置しており、このツボへの刺激は、これらの血管の血流を促進するため、冷え症の治療にうってつけのポイントとなります。これらの骨盤周りのツボには、お灸を少し多めに、例えば10~15壮すえることもあります。
  • 胸腹部のツボへのアプローチ
    胸の「膻中」はストレス緩和や気の巡りに、お腹の「肓兪」、「天枢」、「大巨」、「関元」、「気海」などは、内臓機能を高め、身体を内側から温めるのに役立ちます。

3.ご家庭でできる冷え症対策:簡単セルフ温活ケア

鍼灸治療と合わせて、ご家庭でもできる簡単なセルフケアを取り入れることで、冷え症の改善をさらに促し、温かい身体づくりを目指しましょう。

足が特に冷えてつらい時の応急処置:太もも付け根の温圧法

足先が冷たくてなかなか温まらない、という時に試していただきたい応急処置的なケアです。

  • 方法
    1. 椅子に浅く腰かけます。
    2. 太ももの付け根(股関節の前面、脚の付け根のやや内側)を指で優しく触れると、大腿動脈だいたいどうみゃくがドクドクと脈打っているのを感じられる場所があります。
    3. その脈打つポイントの上に、両手の親指を重ねるか、手のひら全体を当てるようにします。
    4. 上体の体重を軽くかけるような気持ちで、約10秒間、親指(または手のひら)でその部分を心地よい程度に圧迫します。
      ※強く圧迫しすぎて血流を完全に止めようとする必要はありません。あくまで温めるような意識で。
    5. パッと指(または手のひら)を離します。
    6. これを5~6回繰り返します。
  • 期待できる効果
    一時的に圧迫された血管が、圧迫を解除した際に拡張し、足先への血流が促進され、ポカポカと温まってくるのを感じられることがあります。

・決して強く圧迫しすぎないでください。特に血栓のある方や血管に持病のある方は行わないでください。
・痛みやしびれを感じたらすぐに中止してください
・この方法はあくまで一時的な対処法です。根本的な冷えの改善には、継続的な体質改善が必要です。
ご自身で行うことに不安がある場合は、専門家にご相談ください

その他、日常生活で心がけたい温活習慣

  • 質の良い睡眠
    睡眠中に体温調節機能も整えられます。
  • 服装の工夫
    「三つの首」(首、手首、足首)を冷やさないように。腹巻やレッグウォーマー、シルクの靴下なども効果的です。
  • 入浴
    シャワーだけでなく、ぬるめのお湯(38~40℃程度)でゆっくり湯船に浸かり、身体を芯から温めましょう。
  • 食事
    身体を温める食材(生姜、ネギ、ニンニク、根菜類など)を積極的に摂り、冷たい飲食物は控えめに。
  • 適度な運動
    ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で身体を動かし、血行を促進しましょう。

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