症状
目は人間が活動していくための源泉であります。活動するためには、外から情報を取り入れなければいけません。外からの情報は、感覚器を通して入ってきます。
感覚器には、目、耳、鼻、舌あるいは皮膚などがありますが、外からの情報の80%は目を通して入っていることは知られています。
情報の処理は脳によって行われますが、そのもとになる情報は主として目から入ってくるので、その意味で目は人間が活動していくための源泉だと考えられるわけであります。
また、目は容貌の中心でもあり、これは顔の他の部分の造作が多少悪くても、美しい目をしていれば、綺麗に見えるものです。したがって、目をきれいにしたいというのは、男女問わず大きな願望であります。
目というのは心の窓ともいわれ、心の円満、体の健康のバロメータであります。心身共に調子がよければ、目は輝きを増すものであります。
昔から「目は心の窓」とか、「目は口ほどものを言い」などといわれるように、心の動きをよく映し出します。目は病気の縮図とも、脳、心、あるいは腎の鏡ともいうように、全身状態を知るうえで極めて重要視されてきました。
その意味で、からだ全体が健康であれば、自ずと目は美しくなり、よき情報源として役立ってくれるのであります。
鍼灸治療は、体力、体調を整え、全身から目が輝く処置を図っていくことが基本になります。
鍼灸治療
主要なツボ
顔面部 「睛明」、「瞳子髎」、「太陽」、「攅竹」
首部 「天柱」、「風池」
肩部 「肩井」
腰部 「腎兪」
などがポイントになります。
治療法
まず、まぶたを軽く閉じさせて、その上から眼球を静かに10秒くらい圧迫します。そしてパッと離して、またゆっくりと押し、パッと離します。これを4~5回続けます。
次に、左右の目頭の「睛明」を中心に、目の周りを内から外に指圧します。親指を目の上縁に当てて少し力を入れながらゆっくりと指圧します。両目同時に行います。目の下縁は、3本指を当てながら、同じようにふちにそって指圧します。眼球の下にわずかに指先が入るくらいにするとよいでしょう。
指圧するときには、眼球を直接圧迫してはいけません。目の周りの骨に向かって押します。初めから強く押さず、徐々に力を加えます。
眼のふちを指圧しているとき、鼻のつまるような症状があれば、鼻の根元から小鼻にかけて指圧をします。目と鼻は密接な関係にあるので、この部分を指圧しますと目もはっきりします。
ついで、「睛明」を人差し指か中指で少しこねるように押します。また、「瞳子髎」を指先で輪を描くようにしてマッサージをします。
目の周囲を指圧したあとは、軽く両目を閉じたまま、静かに10~15秒じっとさせます。
ついで、後頭部の刺激に移ります。目に一番関係のあるツボは「天柱」です。「天柱」を頭のてっぺんの方向へ向かって、左右の親指で3~5秒ゆっくり押します。合わせて「風池」も指圧します。鼻が通って眼底がツーンとひびいて、さわやかになります。
目を使いすぎると、後ろ首から肩にかけてコリを伴うことが多くなります。ここをほぐすことで、頭や顔面への血液循環がよくなり、顔色もさえます。
肩は、「肩井」が目の疲れをとり、全身に元気をよみがえらすツボです。指圧等でしっかり刺激します。
腰は、「腎兪」を刺激します。「腎兪」は父母からもらい受けた人間の生命力の宿るところとされており、ここを刺激すると、活力・気力がわいてきて、若返るツボとされています。
足は、「湧泉」を刺激します。足の裏の刺激は全身の自律神経を調整する効果があります。刺激は、自律神経と密接につながりを持つホルモン調整によい影響を与えて、美眼だけでなく、全身の美容にもプラスになります。家庭では青竹踏みかビール瓶などを利用して、足の裏を刺激するとよいでしょう。
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