特異性と免疫記憶 ー進化レベルの高い免疫系の特徴
特異性と免疫記憶
進化レベルの高い免疫系の特徴として、その特異性と免疫記憶が挙げられます。はしかやおたふく風邪はウィルスによって引き起こされ、治った後には強力な免疫が残ります。この免疫の特異性は、はしかの免疫ははしかの抵抗性に、おたふくかぜの免疫はおたふくかぜの抵抗性にのみ働き、どちらかの免疫でもう一方が治ることはありません。
これは、T細胞やB細胞の働きによるものであり、それぞれのT細胞レセプターやB細胞レセプターが特定のウィルス抗原にのみ反応するためです。この特異性は、ウィルス抗原分子の立体構造とT細胞レセプターや免疫グロブリンの立体構造が鍵と鍵穴のように相補的になっているために生じます。
特異性が免疫記憶として残るのは、T細胞クローンとB細胞クローンの数が感染後に増加するためです。これらの細胞は特定の抗原と反応するクローンから成り、抗原と反応すると分裂・増殖し、リンパ球の幼若化反応を引き起こします。こうして感染後には、特定の抗原に対するクローンの数が増加し、免疫記憶として残ります。
「二度かかりなし」現象は、ウィルス感染などの多くの疾患で見られます。強い免疫記憶を残すのは、主にウィルスのような微小抗原や花粉、動物の毛、消化酵素で分断された微細な異種タンパク質です。
この記事を読めば、免疫について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!
今回の講義の概要
・特異性
・免疫記憶
・抗原の種類