潜伏ウイルスと免疫力
ヘルペス・イボから見る
体のSOS
私たちの体内には、普段は姿を見せない様々なウイルスが潜んでいます。口唇ヘルペスや帯状疱疹のように、体調が優れないときに突如現れるこれらのウイルス感染症は、免疫力が低下しているという、体からの重要な「SOS」のサインです。
免疫学から考えるウイルス感染
免疫能が低下すると出現する
隠れていたウイルス
体調が優れないときや疲れているときなどに、口唇ヘルペスや帯状疱疹などのヘルペスウイルス感染症を発症することがあります。これは、プロウイルスとして体細胞内に潜伏していたウイルスが、免疫系の低下によって自己複製し、感染症を引き起こすことによります。
通常はリンパ球の活性化が起こり、自然治癒しますが、免疫能があまりにも低下していると重症化することがあります。
ヘルペスウイルス以上にヒトと共生し、普段は全く姿を見せずにヒトの体内に潜んでいるウイルスもいます。イボをつくるパピローマウイルス、稀にB細胞をがん化させるEBウイルス、T細胞をがん化させるATLウイルスなどがそれです。
第二次世界大戦中や戦後の子どもたちは、青鼻を垂らすだけでなく、手指にイボがよくできていました。食べ物が少ないことは、生物にとって最も強いストレスであり、交感神経緊張状態となり、リンパ球を減少させます。このような免疫抑制状態では、容易にイボのウイルスが顕性化します。
今日の大人でも、ストレスが持続するとイボや魚の目を発症することがあります。これは、免疫抑制によって通常は無害なウイルスが暴れ出すためです。このような人は、多くの場合、手足が冷えています。これは血流障害を伴っているからです。腰痛や膝痛の治療時に鍼灸治療を行うと全身の血流が改善し、その結果、腰や膝の痛みから解放されるとともに、その際に発症していたイボや魚の目も落ちることがあります。
ウイルスの感染抑制因子としてインターフェロン(IFN)があります。これは、ウイルス感染時に白血球から分泌されるもので、サイトカインの一つと言うこともできます。インターフェロンは、直接ウイルスの複製を抑制する他に、多彩な免疫修飾活性を持っています。生体細胞膜上の主要組織適合抗原(MHC)を上昇させ、リンパ球のウイルス認識を助けたり、また、直接リンパ球に働いて障害活性を高めたりします。













この記事を読めば、免疫について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!
今回の講義の概要
・免疫低下による潜伏ウイルスの顕在化
・ストレスと免疫抑制・血流障害
・インターフェロンの役割
・血流改善による治癒