免疫 56

免疫 56 免疫学から考える感染症

感染症の免疫学
白血球の分業と治療への示唆

感染症の病態を理解するには、病原体だけでなく、私たち自身の免疫状態を知ることが不可欠です。細菌とウイルスでは、それらを処理する白血球の種類が異なり、この免疫細胞の「分業」こそが、炎症の種類や治療法の選択に大きな影響を与えます。宿主側の免疫状態に目を向けることで、抗生物質の不適切な使用を防ぐことにも繋がります。

この記事を読めば、免疫について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!

今回の講義の概要

・感染症の病態は宿主の免疫状態に依存
・白血球による分業体制
・マクロファージと樹状細胞の役割

免疫学から考える感染症

細菌処理は顆粒球、ウイルス処理はリンパ球

感染症においては、侵入してくる微生物側の病原性が強調されがちですが、宿主側の免疫状態によって病態が激しく変化することを知る必要があります。このような視点を取り入れることで、抗生物質の使い過ぎなどを防ぐことができます。

感染症は大きく分けて細菌感染ウイルス感染があり、防御にあたる白血球はそれぞれ完全に異なります。細菌感染は顆粒球によって処理され、化膿性炎症を引き起こします。一方、ウイルス感染はリンパ球によって処理され、カタル性フレグモーネ性(アレルギー性)の炎症を引き起こします。このような反応の違いは、主に微生物の粒子の大きさによって決まります。

粒子の大きい細菌群は、貪食能を持つ顆粒球を刺激します。これに対し、粒子の小さいウイルス群は貪食能を誘発できず、リンパ球の免疫能を誘発します。基本的なマクロファージは、抗原提示能によってリンパ球の反応を助けます。マクロファージがさらに進化した樹状細胞も、高い抗原提示能を持っています。

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