免疫 34

免疫 34 皮膚の古い免疫細胞と胸腺の関連

皮膚とそのリンパ球ー古くからある免疫組織

皮膚 は、私たちの体を外部環境から守る第一線の物理的なバリアとして機能しますが、単なる防御壁ではありません。この重要な器官には、多様な免疫細胞が存在し、体の防御システムにおいて複雑かつダイナミックな役割を担っています。

この記事を読めば、免疫について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!

今回の講義の概要

皮膚に存在する古い系統の免疫細胞
胸腺外分化と胸腺由来の両T細胞による皮膚への応答
胸腺髄質と古いリンパ球の皮膚免疫の進化

古くからある免疫組織

皮膚とそのリンパ球

皮膚は、動物の進化の過程でケラチンなどを増やし、物理的な強度を獲得しました。そのため、この組織を保護するリンパ球は比較的少数です。しかし、少数ながら皮膚固有のリンパ球も、γδT細胞として存在します。これらの皮膚のT細胞は、系統発生学的に見ると、古い腸管の免疫システムと同じレベルで進化してきたものと考えられています。

私たちの皮膚が外傷を受けたり、感染を起こしたりすると、まず顆粒球が集まり、それに少し遅れて多数のT細胞が集まります。そこには、胸腺外で分化したと考えられるαβT細胞と、進化した胸腺由来のT細胞の両方が存在します。

皮膚における古い系統のリンパ球の性質を知るには、胸腺の髄質に存在するリンパ球の性質を理解することが参考になると考えられています。胸腺は、内胚葉由来の皮質と外胚葉由来の髄質から形成されています。これは、進化の過程で、えらとえら穴が合体して胸腺が形成されたことに由来します。

そして、この胸腺髄質には、胸腺外分化T細胞とよく似た性質を持つT細胞やB-1細胞が存在します。特にB-1a細胞は、自己免疫疾患の際にここで増殖することが知られています。これらは、古い時代の皮膚の免疫システムに関連して進化したリンパ球の生き残りと言えるかもしれません。

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