えらから進化した胸腺 ーえらから陸上生物の免疫システムの完成へ
えらから進化した胸腺 は、生物が陸上へ進出する中で重要な役割を果たしました。T細胞の分化と成熟を担い、循環系の発達と共に外来抗原への防御を強化することで、高度な免疫システムの形成に寄与しました。その進化の歴史を詳しく解説します。
えらから進化した胸腺
生物が約3億6000万年前に陸上へ進出する以前、免疫組織は主にえら、腸管、皮下組織、肝臓、そしてその他の外分泌腺の周囲に存在していたと言えます。しかし、陸上へ進出した後、生物の身体構造は大きく変化いたしました。えら呼吸は肺呼吸へと変わり、えらは退化しましたが、一部は生き残り、胸腺へと進化を遂げたのです。
胸腺は、えらの時代には免疫組織として抗原を捕らえる役割を十分に果たしていたものと考えられます。しかし、陸上進出とともに胸腺は新たな役割を担うようになり、T細胞の分化や成熟に重点を置き始めました。そして、進化の過程で新たに形成されたリンパ節、パイエル版、白脾臓、末梢血へと成熟したリンパ球を送り込む役割を果たすようになったのです。
さらに循環系の発達に伴い、外来抗原が体内に侵入するリスクに対抗するための進化が進み、生物は免疫システムの完成に至りました。これにより、生命がより安全に陸上で活動できる環境を手に入れることとなったのです。
この記事を読めば、免疫について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!
今回の講義の概要
・胸腺の進化と役割の変化
・新たな免疫システムの形成
・循環系の発達による免疫の進化