免疫 28

免疫 28 クラスによって構造や働きが異なる抗体

抗体の構造と役割 ー免疫反応を支える主要な4種類の抗体

この記事を読めば、免疫について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!

今回の講義の概要

抗体の種類と特徴
それぞれの分泌様式と役割
進化の観点からのIgEの特異性

クラスによって構造や働きが異なる抗体

免疫システムにおける抗体の構造や役割、種類、その機能について解説します。一次刺激で分泌されるIgM、胎児にも移行可能なIgG、体外で感染防御を担うIgA、アレルギーや寄生虫感染時に活性化するIgEの特徴を詳しく学びましょう。

IgM抗体

IgM抗体は五量体を形成し、体液中に分泌されています。μκまたはμλの分子が定常部で結ばれており、5分子が合体しています。この抗体は抗原の最初の刺激(一次刺激)で分泌される抗体です。プレB細胞やB細胞が細胞内に持つIgMは五量体ではなく単量体です。

IgG抗体

IgG抗体は血清中で最も量の多い抗体であり、抗原の二次刺激で大量に分泌されます。γκまたはγλの単量体です。母胎で産生されたIgM抗体は分子が大きいため、胎児に移行することはありません。しかし、IgG抗体は分子が小さいため胎児に移行することができます。

IgA抗体

IgA抗体は二量体を形成し、涙、鼻水、唾液、胃液、腸液、母乳などの体液中に分泌されます。この抗体は感染に対する抵抗性を付与します。二量体にはセクレタリーコンポーネントというタンパク質が含まれており、これにより消化酵素で分解されるのを防いでいます。

IgE抗体

IgE抗体は寄生虫、回虫、条虫感染、またはアレルギー疾患において分泌される抗体です。広義的には、寄生虫感染そのものがアレルギー反応を引き起こしています。IgM、IgG、IgA抗体群は一定量が血清中に常に存在し、常在菌や日常的に侵入する異物に対応することで血中濃度を維持していると考えられます。一方、IgE抗体はアレルギー反応や寄生虫感染時に急激に血清中の濃度が上昇します。これは新たな外部侵入物に対応する抗体です。また、IgEは抗体系の進化の過程で最後に出現した分子とされています。

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