免疫 24

免疫 24 B細胞について

B細胞と免疫グロブリン ー最先端の免疫システム研究

この記事を読めば、免疫について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!

今回の講義の概要

B細胞の進化と免疫グロブリン(Ig)
免疫学の歴史とIgの重要性
免疫システムの複雑化と現代免疫学の課題

B細胞について

リンパ球が免疫システムとして機能するためには、抗原を捕える必要があります。T細胞もB細胞も、この目的のために接着分子を使用しています。これらの接着分子の中でも、最も進化した分子群が免疫グロブリンスーパーファミリーであり、その中でも極限の進化を遂げたのが、B細胞が使用する免疫グロブリン(Ig)です。

19世紀末から始まった免疫学は、微生物感染後の血清中に感染抵抗性物質が存在することを明らかにしました。そして、その主たる成分がIgであることが解明されました。この歴史的背景は、免疫系でも最も進化した物質であるIgから研究が始まったことを示しています。

多細胞生物の免疫系は、単細胞時代の性質をあまり変えずに残したマクロファージから始まり、次第にそのシステムを複雑化させていきました。しかし、実際の免疫学の研究は、最も複雑な部分から始まりました。現在でも、免疫研究の多くは、最も複雑に進化した外来抗原向けの免疫システムに焦点を当てています。そして、この外来抗原向けのシステムで全ての免疫現象を説明しようとする点に、現代免疫学が飛躍できない理由があると考えられます。しかしながら、最も進化したB細胞の免疫系の概要を理解しないことには、全体像を把握することができません。

B細胞も突然進化の極限に達したのではなく、進化の途中では、Igの定常部(Igは抗原と反応する可変部と反応しない定常部から成る)を単なる接着分子として使用していた時代がありました。この点は、T細胞がNK細胞や胸腺外分化T細胞の段階を経た進化と類似しています。

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