免疫 22

免疫 22 ヘルパーT細胞の働き

ヘルパーT細胞 の機能とその多様な役割

この記事を読めば、免疫について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!

今回の講義の概要

抗原の認識方法
サブセットの分類
Th0細胞の役割

ヘルパーT細胞の働き

ヘルパーT細胞は多彩な働きを持ち、その名前はB細胞の抗体産生を助けることから由来しています。T細胞はTCR(T細胞レセプター)を使用して抗原を認識しますが、単独で抗原を認識することはありません。抗原提示細胞のMHC(主要組織適合抗原)に入った抗原をまとめて認識します。アミノ酸十数個からなる異種蛋白質が分解された断片がMHCの溝に入ったものを認識します。

ヘルパーT細胞の場合、MHCクラスⅡ分子に入った抗原を、その膜上にある接着分子の一つであるCD4分子によって結合を補強しながら認識しています。ヘルパーT細胞とCD4⁺T細胞はほぼ同じ細胞を指す言葉ですが、ヘルパーT細胞の中には2つの異なる機能を持つものがあり、Th1細胞とTh2細胞として分類されました。

  • Th2細胞は、B細胞の抗体産生を助けるサブセットで、IL-4(インターロイキン4)、IL-5、IL-10などを産生し、抗体産生を助けます。
  • Th1細胞は、キラーT細胞(CD8⁺T細胞とも呼ばれる)の分化や働きを助け、IL-2、INF-γを産生してこの役割を果たします。

ヘルパーT細胞の中には、どちらの働きにも偏らないものがあり、これをTh0細胞と呼びます。Th0細胞はINF-γとIL-4を同時に分泌することが特徴です。Th1細胞とTh2細胞は、Th0細胞のステージを経て分化・成熟するのか、あるいは胸腺外分化T細胞のように系統発生学的に古いT細胞がTh0細胞なのか、研究が進行中です。

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