顆粒球とリンパ球の変動 と病気のリスク
免疫 10
顆粒球とリンパ球の数の変動は病気の発症に関係する
激しいストレスや重労働をすると、1~2時間で白血球の総数が増加します。これは主に顆粒球の増加によって引き起こされます。骨髄中には顆粒球の多大なプールがあり、交感神経刺激で末梢に送り出されます。また、続いて骨髄では顆粒球の産生が亢進します。
顆粒球は、生体内でも細胞死を抑制する遺伝子を使わない珍しい細胞です。このため寿命が短く、骨髄で分化してから末梢に出て死滅するまでの寿命は2日です。このため、1日に顆粒球の約半分が補給されます。
顆粒球は多形核白血球とも呼ばれ、核がくびれています。成熟が進むとくびれが顕著になりますが、これは細胞死を抑制する遺伝子を使っていないため、生きながら核の断裂、アポトーシスが起こっている姿なのです。
リンパ球の寿命は顆粒球よりも長く、平均で7日前後と考えられています。それでも、リンパ球の比率や数は体調に合わせて変動しています。
このように、環境や体調によって顆粒球とリンパ球の比率が変化することは、病気の発症と深く関係しています。顆粒球増多が長く続くと、胃潰瘍や臓器障害、癌などが引き起こされ、死に向かうことになります。
白血球総数の変化は主に顆粒球によるものですが、より正確には1日に使用するエネルギーに正比例して増減します。毎日活発に働く人は顆粒球が増加し、白血球数も増加し、感染症がなくても血液中の白血球総数が1万/μLくらいまで上昇します。逆に、家でじっとしている人は2000から3000/μLくらいまで減少し、相対的にリンパ球の比率が増加します。
この記事を読めば、免疫について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!
今回の講義の概要
・ストレスや労働による顆粒球の増加
・顆粒球とリンパ球の寿命と機能
・健康への影響