免疫 5

原始マクロファージ

原始マクロファージ ー生体防御細胞の進化と役割

この記事を読めば、免疫について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!

今回の講義の概要

生体防御細胞の進化
原始マクロファージとは?
三胚葉生物と白血球群

免疫 5

原始マクロファージから生まれる生体防御細胞群

単細胞生物から多細胞生物に進化すると、周囲の環境にあまり左右されずに生きるための内部環境を持つことができるようになります。また、多細胞化による細胞数の増加は、細胞ごとの働きを変えて役割分担する方向へ進むことになりました。

クラゲやイソギンチャクなどの下等な多細胞生物は二胚葉生物と呼ばれ、外皮と腸から成ります。外皮は呼吸や物理的強度を司り、腸は食物摂取、消化、吸収、排せつを司る役割を強化してきました。

細胞ごとに見られる特定の機能の強化は、他の機能の退化を伴い、多くの場合、遺伝子の一部のみを働かせる方法でこのような仕組みを獲得しています。具体的には、DNA→mRNA→タンパク質の過程で、特定の機能に使われるタンパク質群を準備するか、その反応を休止しておくかということです。

しかし、原始的な二胚葉生物は、単細胞時代の性質をほぼそのまま残した細胞群を持っています。これらは原始マクロファージと呼ばれるべき細胞で、外皮細胞と腸上皮細胞に囲まれた内腔に存在します。生体内に異物が侵入すると、この原始マクロファージが単細胞生物時代のアメーバのように異物侵入部位に遊走し、異物を貪食能でとらえます。

その後、多細胞生物は三胚葉生物に進化して体腔を獲得し、多くの組織や臓器が進化しました。中胚葉細胞はすべて、上述の原始マクロファージから進化しました。原始マクロファージは中胚葉と間葉系の細胞群を作り出し、ここでも単細胞生物時代の性質を失わない一連の細胞群を生体防御細胞として残しています。これらがマクロファージを中心とした白血球群です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です