「鬼門」の科学的解明 ー 冷気と酸素不足が引き起こす心身への影響とは?
家相で語られる「鬼門」は、多くの人が恐れ、避けるべき方位として知られています。しかし、なぜ鬼門がこれほどまで恐れられてきたのか、その科学的な理由はこれまで深く解き明かされてきませんでした。この記事では、長年の謎とされてきた鬼門の真実に迫ります。表鬼門と裏鬼門が持つ冷気や熱気の特性、そして最も重要な「酸素の稀薄さ」という観点から、鬼門が私たちの心身に及ぼす具体的な影響を科学的に分析。そのリスクを理解し、運気を守るための家相の知恵を深めていきましょう。
方位と大気
鬼門を科学する
「鬼門」は「生門」とも呼ばれ、本来は生気が生まれ、成長する場所を意味します。陰の気が減じ、陽の気が生まれ出る地点であり、その時点では陰陽の気が活発に交流しているのです。
これまで、鬼門がなぜ恐れられているのかという理由は、科学的に明確に解き明かされてきませんでした。「鬼門を犯せばこうなる」という結果だけが語られ、そのメカニズムは未解明でした。ここでは、鬼門を科学的に分析してみましょう。
表鬼門は冷気が強く、裏鬼門は熱気が強いのが特徴です。これらの時期は、体温と気温の差が他の季節と著しく異なります。人間の体温は約36.5℃前後を保つ必要がありますが、これ以上でも以下でも、体を冷やしたり温めたりする機能が低下します。健康な状態であれば耐えられますが、体が弱っている時や病気の時は、病状をさらに悪化させる危険な時期にもなり得るのです。
また、人間が生きていく上で酸素は不可欠ですが、鬼門の方位では酸素が希薄になります。なぜ希薄になるかというと、南西の裏鬼門は夏の鬼門にあたるため、暑さで地上の酸素が上昇してしまい、人の周囲では少なくなってしまうからです。
一方、東北の表鬼門は冷気のため、体温保持にエネルギーを消耗するだけでなく、酸素を発散してくれる草木が冬眠しているため、酸素の発生が少なくなります。酸素はある程度の熱が加わると上昇しますが、熱が加わらないとそのまま下に沈んでしまいます。水中から発する酸素も、寒さのため上昇してきません。このように、酸素の発生源が全て眠ってしまっている状態なのです。
このように考えると、鬼門が恐れられている理由が理解できるのではないでしょうか。
時間的に見ると、表鬼門の時間帯は、一刻(約2時間)で表現される昔の時間区分で丑寅の刻(計4時間)にあたり、古くから「草木も眠る丑三つ時」として知られる時間です。特に、土用の月の午前3時を中心とした時間が「鬼門中の鬼門」とされます。もちろん、土用中の時期であっても、鬼門中の鬼門でない時間帯もあります。
ついでに、「男鬼門」と「女鬼門」についても説明しましょう。これは男性の体質と女性の体質を比較するとよく分かります。まず目につくのは、女性は皮下脂肪が多く、男性は少ないという点です。この皮下脂肪は、温度調節という観点から見ると、厚い服を一枚多く着ているのと同じだと言えます。つまり、女性は男性より皮下脂肪という厚い着物を一枚多くまとっているため、一般的に女性は暑さに弱く、男性は寒さに弱いということにつながるのです。そのため、暑い方を女鬼門、寒い方を男鬼門と呼ぶわけです。
では、鬼門がもたらす悪影響の具体例を挙げてみましょう。
例えば、表鬼門にあたる東北方位にトイレがあったとします。鬼門月ともなれば、東北から風が強く吹き込んできます。しかも、この空気は酸素が少なく、冷気を伴ってやってきます。眠っている時など抵抗力のない無防備な状態の時に、このような冷気と酸素の少ない悪条件の空気が、トイレの不快な臭気とともに室内に侵入してきたら、たまったものではありません。それが1日や2日だけでなく、1年、2年、3年、4年、5年と吸い続ければ、脳の命令神経が侵され、思考力が鈍くなるのは当然でしょう。この時、運気が弱ければ、病気にかかり、最悪の場合、廃人同然となってしまう可能性もあります。このような危険性を広く知らせるために、昔の聖人たちは「鬼門」という言葉を考案したのかもしれません。
たとえ運気が強く、健康な人、あるいは様々な良い条件に恵まれた人であっても、このような鬼門の家に住むことは危険だと考えられます。
この記事を読めば、家相について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!
今回の講義の概要
・「鬼門」を科学的な視点から分析し、その根本原因を解明
・鬼門が大気の不調和と体調不良を招くメカニズム
・鬼門の悪影響を避けるための家相の知恵