家相から見た「良い家の構造」とは?日当たり・風通し・美観で快適な住まいを
家を建てる際、あなたはどんな構造を想像しますか? 家相学では、単に間取りやデザインだけでなく、その構造そのものが住む人の運気や健康に深く関わると考えられています。日当たり、風通し、寒暖調和、そして実用性や美観に至るまで、理想の家づくりには様々な視点が必要です。この記事では、家相の知恵を取り入れ、自然の恩恵を最大限に活かし、快適で運気を高める「良い家の構造」について、具体的なポイントを一つ一つ解説していきます。
構造はどうする- 土地を選び家を建てる条件
家の構造を考える際は、まず日当たりを念頭に置かなければなりません。太陽熱は殺菌力や物を育てる原動力を持っていますが、度を過ぎれば殺す力に変わってしまうこともあります。
①日当たり
具体的に言えば、南の太陽、南西の太陽、東南の太陽を考慮する必要があります。この三種類の太陽のうち、南西の太陽が最も暑いです。したがって、暖房という点では、冬の南西や西の太陽はありがたいですが、夏は大変厄介なものとなります。
一年を通して総合的に見ると、結局、東南の太陽と南の太陽が良いとされています。この点からも、日当たりは単に良ければ良いというものではないことがお分かりいただけるでしょう。
②風通し
通風は、家の中の新陳代謝を促し、腐敗を防いでくれます。
このことは、易を学んでいる方なら「山風蠱(さんぷうこ)」の卦を考えれば理解できるでしょう。風は人の生活に欠かせないものですが、植物にも様々な作用をします。易の説明を借りれば、「中庸」と「過不及」があります。不及は風がないことで、過は逆に害を及ぼす台風を指します。つまり、どちらも好ましくなく、中庸であることが重要です。
また、どの方向から来る風を多く取り入れた方が良いか、それによってどこに窓を配置すべきかということも、合わせて考える必要が出てきます。ただ窓さえあれば風の通りが良いと考えるのは無知であり、その風の通り方こそが重要な意味を持つことに気づいてほしいものです。
③寒暖調和
家は服と同じ役目であり、一年を通じて、冬服、夏服、合着(あわせぎ)のように変化できるものでなければなりません。夏は涼しく、冬は暖かく作るには、それ相応の設計が必要です。しかし、冷房や暖房をむやみに効かせすぎるのは、エネルギーの代謝が不合理になり、体力の衰弱の原因となるため、注意しなければなりません。何と言っても、人間の一定した体温を基準に、寒暖の調和を図るのが最も良いのです。
④実用的であること
家はまず、天地の恩恵を受けるのに都合が良いという点から考えていく必要があります。目先の実用性だけを重視するのは近視眼的で好ましくありません。要するに、使い勝手が良く、実用的に作ることですが、天地自然の恩恵を合理的に生かすことが大切です。これが本当の合理性であり、目先だけの合理主義は無意味です。広い意味での実用性を考慮に入れて家を設計しないと、片手落ちになってしまいます。
⑤美観
日本人はとかく、美観を贅沢と混同しがちですが、必要以上の贅沢は不要でも、美観は欠かせない条件です。人間は精神的な動物であり、体力や英気は、家相でいうところの美観によって養われることが多いからです。室内の色彩、家具の調度品の配置など、インテリアを工夫することで、これはいくらでも実現できます。
⑥好条件に吉相が生まれる
これは、東西南北の方位のまとめです。
まず、北は山や丘、あるいはこれに準ずるものであることが望ましいです。山や丘はその腹中に水を貯蔵し、私たちに恵みを与えてくれる大自然ですが、その他、寒い風を防いでくれる役割も果たします。北側に山がなくても、森や大きな家などがあれば、ある程度山と同じような働きをしてくれることもあります。
東は清流、すなわち清らかな流れの水です。流れる水とは濁らない水のことです。清流とは酸素を多く発散させる水であり、草木などの成長にも良いとされます。東のほうに草木をたくさん置くという考えは、ここからきています。木を植える際には、日当たりを考慮し、ある程度の間隔を置くことが大切です。こうすることで、酸素性の空気の流通を良くすることにもつながります。
南はひらけていることが重要です。雄大な感じのする平野や海原が良く、何か塞がれているのは好ましくありません。人間は絶えず雄大なものを求めていれば、心も自然と大きくなってくるものです。南がひらけていれば、人生の希望も持ち続けられます。
西はだいたい道路(交通)ということになりますが、本当は細かい立地条件によっては、西に道路があると困ることが出てきます。道があると、家の玄関がどうしても西口になってしまうからです。ただし、立地条件として、できるだけ西のほうに交通の要所となる街があるのが良いとされています。街が西にあれば、南や東を塞がないからです。
とにかく、原則として、どんなに吉相の構造だとしても、立地条件が悪ければ、完全な意味での良い家相とは言えないということを忘れないでください。
家そのものの相は良いのに、どうも悪いことばかり続くという場合は、この立地条件をよく考えなかったからであることが多いのです。
この記事を読めば、家相について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!
今回の講義の概要
・快適な住まいのための5つの設計原則
・自然の恩恵を最大限に活かす設計思想
・立地条件と方位がもたらす吉相の考え