事務机の配置変更 による能率向上の事例
【ケース2】事務机の位置を変えて上がった能率
ある商事会社の事務室の例です。その会社は社員30名の小さな会社で、製造販売を業としています。
事務室は66平方メートル(20坪)程度で、すべての係の机はこの大部屋に集まっています。この部屋の造りは南に面していて、東南位に入口があり、造りとしては大変吉相です。しかし、経理と商品出庫係の机は正面入口の左、すなわち部屋の中心から南側に並んでいて、販売員の整理机は一番奥の北側にあります。そして、西側には社長の机、東は通路で中央に製造係工場長の机があります。
この机の配置から判断すると、出入口は巽(南東)で、商売繁盛の相ですが、机の配置が自然の理にかなっていません。南の意味は、赤色、明るい、広い、円形の意味と同じで、落ち着いて考えることができず、絶えずソワソワして、じっとしていられない気分になります。そのため、仕事が大雑把になり、開放的になり、怠慢にもなります。このような状態では経理の者も出庫係も計算を間違え、長い時間机に座っていられない気分になり、絶えず机を離れるようになります。
一方、外向販売の机は北位にあり、この方位の意味は、安定する、必要以上に落ち着く、思考する、消極的になる、活動力がなくなるなどです。その影響で外交力が意気消沈し、勢いを失い、外に出るのを嫌がり、あらぬ思考をめぐらせて、机の前にへばりついていることもあります。
商売の盛衰は外交力によって決まると言われるくらいなので、販売係をはじめ、全体が盛り上がらないと成績が上がらないのは不思議ではありません。成績が悪ければ、人間の心理として心がふさぎ、それが長く続けば仕事が嫌になり、会社を辞めたくなるという悪循環になります。
さらに、製造責任の工場長の机が部屋の中央にあり、正面南を向いているので、これが一番威勢がよくなります。威勢がよすぎれば行き過ぎが起こり、製品に金をかけて良い品や贅沢なものを作りたくなるなど、一層悪条件が重なります。
そのような状態を判断し、社長に進言したところ、社長は感心し、配置換えを決めました。
まず、支配中枢の社長の机を乾(北西)に置き、南面させて社内全体の安定を図り、外交員の机は南面させて外側に心を向けるようにし、外に向かって活動的に働けるようにしました。
経理は計算違いをさせないように、西側の壁につけ、出庫係は通路側の東に向け、工場係は北面に向けて、地味で堅実な北位の意味を影響させて、良い製品を堅実に造らせるようにしました。
このように、各々の部門の性格を考え配置した結果、社員全員がファイトを持ち、人が変わったようになり、徐々にですが成績が上がり、社長からも喜びの報告がありました。
この記事を読めば、家相について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!
今回の講義の概要
・ある商事会社の事務室で行われた事務机の位置変更による能率向上の事例