肌は体の不調が現れやすい場所であり、その状態は健康状態を反映すると言えます。一口に肌荒れといっても、その原因は様々です。紫外線や乾燥、化粧品や衣類による刺激なども肌荒れの原因となりますが、これらは原因となる刺激を取り除くことで改善が見込めます。
特に注意すべきは、体内に原因がある肌荒れです。思い当たる節がないのに急に肌が荒れてきた場合は、腸内環境の悪化を疑うべきでしょう。腸内環境は皮膚と密接な関係があることが知られています。
人間の腸内には多種多様な細菌が存在し、その中には消化を助けたり免疫機能を支えたり、人間自身では作れないビタミンを生成したりする善玉菌と呼ばれる菌が存在します。一方、食べ物を消化する際に硫化水素や二酸化硫黄など臭いおならの元となる物質を分泌する悪玉菌も存在します。
腸内環境のバランスが崩れ、悪玉菌が増殖すると、有害なガスが腸内に蓄積されます。このガスはおならとして体外に放出されますが、一部は腸壁から吸収され血液に乗って皮膚まで到達し、肌荒れの原因となることがあります。
つまり、肌荒れの原因は腸内環境の悪化が皮膚に現れたものと言えます。ニキビ、吹き出物、肌の乾燥、湿疹など、心当たりのない肌荒れが出た場合は、腸内環境の悪化を疑うべきです。特に便秘や下痢が続いている人は注意が必要です。
悪玉菌が増えると、悪玉菌自身が糖を求めるようになり、その影響で人間も糖分を欲するようになるため、肥満につながるという報告もあります。
また、腸は免疫系統とも深く関わっているため、腸内環境の悪化は風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルスなどの感染症にもかかりやすくなる可能性があります。
腸内環境を整えるためには、善玉菌の勢力を増やすことが重要です。善玉菌が含まれる発酵食品や、善玉菌のエサとなるオリゴ糖を摂取することが効果的です。また、悪玉菌のエサとなる肉類、特に牛肉やアルコール、ハム、ソーセージなどの摂取は控えましょう。
参考文献・引用・2020年・『放っておくとこわい症状大全』・ダイヤモンド社
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