健康な腸は、私たちの心身の健康に深く関わっています。日々の生活習慣を見直すことで、腸内環境を改善し、様々な不調の予防や改善に繋がります。
夕食は控えめに、または摂らない
睡眠中は消化器官も休息することが理想的です。食事のエネルギー推移を考えると、朝食はしっかり、昼食は普通、そして夕食は軽く済ませるか、可能であれば摂らないのが理想的なバランスと言えるでしょう。腸の健康を考えるならば、夜8時(できれば6時)から朝6時までは何も食べず、胃腸を休ませ、細胞の修復時間を確保することが大切です。
冷たい飲食物は避ける
季節を問わず、温かい飲食物を摂るように心がけましょう。冷たいものは、消化吸収の妨げになるだけでなく、自律神経にも負担をかけ、胃腸にストレスを与えます。
暑い時期に熱い飲み物は熱中症のリスクを高めると思われがちですが、実際には冷たいものを日常的に摂取している方が熱中症になりやすい傾向があります。体は汗をかくことで体温を調節しますが、冷たい飲み物は体の内側を冷やし、自律神経が体温を下げないように働くため、発汗を抑制してしまうのです。汗をかけないことは、熱中症の大きなリスク要因となります。
体を温める
体を温めることは、腸の蠕動運動を活発にし、働きを良くします。近年、冷えを感じる男性も少なくありません。腹巻や入浴などで積極的に体を温めましょう。適度な運動やウォーキングも、体温維持に役立ちます。
グルタミンやハーブなどを活用する
健康な腸内環境のためには、カンジダ菌の過剰な増殖を抑えることが重要です。そのために、副作用の少ない非吸収性の抗真菌剤や抗菌作用のあるハーブ、消化酵素などを利用する場合があります。料理にガーリックやオレガノなどのハーブ、ココナッツオイルを取り入れることも、カンジダ菌の抑制に役立ちます。
栄養療法においては、カンジダ菌の除去や、カンジダ菌によって傷ついた腸の修復を目的として、アミノ酸の一種である「グルタミン」のサプリメントが処方されることがあります。グルタミンは、炎症やリーキーガット症候群の改善にも有効です。また、腸の細胞のエネルギー源となり、腸粘膜の免疫の最前線で働くIgA抗体の生成を促します。なお、うま味成分である「グルタミン酸」や調味料の「グルタミン酸ナトリウム」は、栄養療法で用いられるグルタミンとは異なるものです。
よく噛んで食べる
現代の食生活において、農薬や食品添加物の問題を完全に避けることは難しいのが現状です。すべての食材が自然栽培やオーガニックであれば理想的ですが、現実的ではありません。そこで、食事の際にはよく噛むことを強くお勧めします。よく噛むことで唾液の分泌が促され、唾液には農薬などの化学物質を包み込み、体外へ排出する作用が期待されています。また、食物繊維と組み合わせることで、摂取した化学物質の体内への吸収を減らす効果も期待できます。さらに、よく噛むことは消化を助け、一石二鳥の効果があります。
完璧主義を手放す
体に良いとされることを全て完璧に守り続けることは、精神的な負担となり、かえって腸内環境を悪化させる可能性があります。「あれもダメ、これもダメ」と神経質になりすぎず、100%悪いものを避けるのではなく、60~70%程度を目安に取り組むようにしましょう。
参考文献・引用
2020年・『疲れが取れない原因は副腎が9割』・フォレスト出版
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