手の少陽三焦経 のツボ一覧
(全23穴)
位置・効果・鍼灸法を解説
手の少陽三焦経のツボの位置と効能、
鍼灸の刺激法

TE1 関衝(かんしょう)

井穴
【位置】薬指、末節骨尺側、爪甲角から近位内方0.1寸(指寸)、爪甲尺側縁の垂直線と爪甲基底部の水平線の交点。
【主治】頭痛、目の充血、咽喉部の腫脹・疼痛、舌の強ばり、熱病、心煩。
【操作】鍼は浅刺で0.1寸。あるいは点刺による出血。灸も可。
TE2 液門(えきもん)

栄穴
【位置】手背、薬指と小指の間、みずかきの上方陥凹部、赤白肉際。
【主治】頭痛、目の充血、聾、咽頭部の腫脹・疼痛、マラリア、手や腕の痛み。
【操作】鍼は直刺で0.3~0.5寸。灸も可。
TE3 中渚(ちゅうしょ)

兪穴
【位置】手背、第4・第5中手骨間、第4中手指節関節近位の陥凹部。
【主治】頭痛、目の充血、聾、耳鳴、咽喉部の腫脹・疼痛、熱病、ひじや腕の痛み、手指の屈伸困難。
【操作】鍼は直刺で0.3~0.5寸。灸も可。
TE4 陽池(ようち)

TE5 外関(がいかん)

TE6 支溝(しこう)

TE7 会宗(えそう)

TE8 三陽絡(さんようらく)

【位置】前腕後面、橈骨と尺骨の骨間の中点、手関節背側横紋の上方4寸(約12㎝)。
※陽池(TE4)と肘頭を結ぶ線上で、陽池から1/3にある。
【主治】突発性難聴、突発性言語障害、歯痛、手や腕の痛み。
【操作】鍼は直刺0.8~1.2寸。灸も可。
TE9 四瀆(しとく)

【位置】前腕後面、橈骨と尺骨の骨間の中点、肘頭の下方5寸(約15㎝)。
【主治】突発性言語障害、聾、歯痛、前腕の痛み。
【操作】鍼は直刺で1~1.5寸。灸も可。
TE10 天井(てんせい)

合穴
【位置】肘後面、肘頭の上方1寸(約3㎝)、陥凹部。
※肘を屈曲したとき、肘頭窩にある。
【主治】偏頭痛、脇肋部・頚項部・肩・腕の痛み、聾、瘰癧、癲癇。
【操作】鍼は直刺で0.5~1寸。灸も可。
TE11 清冷淵(せいれいえん)

【位置】上腕後面、肘頭と肩峰角を結ぶ線上、肘頭の上方2寸(約6㎝)。
※肘を伸ばして、肘頭の上方2寸にある。
【主治】頭痛、悪寒戦慄、肩・腕の挙上困難。
【操作】鍼は直刺で0.8~1.2寸。灸も可。
TE12 消濼(しょうれき)

【位置】上腕後面、肘頭と肩峰角を結ぶ線上、肘頭の上方5寸(約15㎝)。
【主治】頭痛、頚項部の強ばりと痛み、腕の痛み。
【操作】鍼は直刺で1~1.5寸。灸も可。
TE13 臑会(じゅえ)

【位置】上腕後面、三角筋の後下縁、肩峰角の下方3寸(約9㎝)。
【主治】甲状腺腫、瘰癧、肩・腕の痛み。
【操作】鍼は直刺で1~1.5寸。灸も可。
TE14 肩髎(けんりょう)

TE15 天髎(てんりょう)

TE16 天牖(てんゆう)

【位置】前頸部、下顎角と同じ高さ、胸鎖乳突筋後方の陥凹部。
【主治】頭痛、顔面部の浮腫、目のくらみ、突発性言語障害、瘰癧、項部の強ばり。
【操作】鍼は直刺で0.5~1寸。灸も可。
TE17 翳風(えいふう)

【位置】前頸部、耳垂後方、乳様突起下端前方の陥凹部。
【主治】耳鳴、聾、口や眼のゆがみ、牙関緊急、顎関節脱臼、頬の腫脹、瘰癧。
※牙関緊急:主として破傷風初期に認められる三叉神経障害および咬筋の強直による開口障害。
※瘰癧:結核菌の感染による頸部のリンパ節の慢性的な腫物。ぐりぐり。
【操作】鍼は直刺で0.5~1寸。灸も可。
TE18 瘈脈(けいみゃく)

TE19 顱息(ろそく)

TE20 角孫(かくそん)

【位置】頭部、耳尖の当たるところ。
※耳を前方に折り曲げて、耳尖が頭に触れるところ。
【主治】耳部の腫脹・疼痛、目の充血と腫脹・疼痛、歯痛、首のこわばり、頭痛。
【操作】鍼は平刺で0.3~0.5寸。灸も可。
TE21 耳門(じもん)

【位置】顔面部、耳珠上の切痕と下顎骨の関節突起の間、陥凹部。
【主治】聾、耳鳴、耳だれ、歯痛、頸部・オトガイ部の痛み。
【操作】鍼は①直刺で0.5~1寸。②下に向けて斜刺で1~1.5寸。灸も可。
TE22 和髎(わりょう)

【位置】頭部、鬢髪(もみあげ)の後方、耳介の付け根の前方、浅側頭動脈の後方。
【主治】耳鳴、頭重・頭痛、牙関緊急、頸部・オトガイ部の腫脹、口のゆがみ。
【操作】鍼は動脈を避けて、斜刺あるいは平刺で0.3~0.5寸。灸も可。
TE23 糸竹空(しちくくう)




















手の少陽三焦経 は、東洋医学において「名前ありて形なし」とも言われる、特定の器官を指さない三焦の経絡です。体の上部、中部、下部の三つの部位(三焦)に分けられ、上焦は首の根本からみぞおちまで、中焦はみぞおちからへそまで、下焦はへそから恥骨の際までを指します。
現代医学的に捉えると、上焦は呼吸循環系、中焦は消化吸収系、下焦は泌尿排泄系と関連し、これらの部位の体温調節機能を担うと考えられています。
などの症状が三焦経の証です。
三焦経のツボには、「角孫」、「翳風」があります。