足の少陰腎経 のツボ一覧
(全27穴)
位置・効果・鍼灸法を解説
足の少陰腎経のツボの位置と効能、
鍼灸の刺激法

KI1 湧泉(ゆうせん)

井穴
【位置】足底、足指屈曲時、足底の最陥凹部。
※足指屈曲時、足底部で第2・3指の間の水かきと踵を結ぶ線上、水かきから1/3にある。
【主治】ショック、熱中症、不眠症、突発性失語症、脳卒中、かんしゃく、ヒステリー、小児のひきつけ、頭頂部痛、下肢麻痺。
【操作】鍼は直刺で0.3~0.5寸。だだし、痛み強し。熟練者のみ。太衝から湧泉への透刺。灸も可。
KI2 然谷(ねんこく)

栄穴
【位置】足内側、舟状骨粗面の下方、赤白肉際。
【主治】陰部掻痒、子宮下垂、月経不順、遺精、喀血、黄疸、糖尿病、下痢、喘息、足根部の腫脹・疼痛、小児のひきつけ、牙関緊急。
※牙関緊急:破傷風の初期に典型的にみられる症状。口の筋肉がけいれんて開かなくなり、歯をくいしばるようになる。
【操作】鍼は直刺で0.8~1.2寸。灸も可。
KI3 太渓・太谿(たいけい)

原・兪穴
【位置】足関節後内側、内果尖とアキレス腱の間の陥凹部。
【主治】咽喉部痛、歯痛、聾、喀血、喘息、月経不順、不眠症、遺精、陰萎、頻尿、腰背部痛。
【操作】鍼は斜刺で0.5~1寸。灸も可。
生命力の源、全身の血行改善、救急
KI4 大鍾(だいしょう)

絡穴
【位置】足内側、内果後下方、踵骨上方、アキレス腱付着部内側前方の陥凹部。
【主治】咳嗽、喀血、喘息、腰背部の強硬直、認知症、排尿困難、嗜臥、足根痛。
※嗜臥:身体がだるくなって、すぐに横になりたくなる。
【操作】鍼は直刺で0.3~0.5寸。灸も可。
KI5 水泉(すいせん)

郄穴
【位置】足内側、太渓(KI3)の下方1寸(約3㎝)、踵骨隆起前方の陥凹部。
【主治】無月経、月経不順、月経痛、子宮下垂、排尿困難、めまい。
【操作】鍼は直刺で0.3~0.5寸。灸も可。
KI6 照海(しょうかい)

【位置】足内側、内果尖の下1寸(約3㎝)、内果下方陥凹部。
【主治】月経不順、赤白帯下、子宮下垂、陰部掻痒、疝気、頻尿、癇症、咽喉部の疼痛、眼疾患、不眠症。
※疝気:腰や下腹の内臓の痛む病気
【操作】鍼は直刺で0.5~1寸。灸も可。
陰蹻脈の要穴、陰の調整、精神安定
KI7 復溜(ふくりゅう)

経穴
【位置】下腿後内側、アキレス腱の前縁、内果尖の上方2寸(約6㎝)。
【主治】浮腫、下痢、腹鳴、下肢の腫瘍、足部の運動麻痺、盗汗、自汗、熱病でありながら汗の出ないもの。
【操作】鍼は直刺で0.5~1寸。灸も可。
経穴、水分代謝(水湿)の調整、止汗
KI8 交信(こうしん)

【位置】下腿内側、脛骨内縁の後方の陥凹部、内果尖の上方2寸(約6㎝)。
※復溜(KI7)の前方0.5寸にある。
【主治】月経不順、不正子宮出血、子宮下垂、下痢、排便困難、睾丸の腫脹・疼痛。
【操作】鍼は直刺で0.6~1.2寸。灸も可。
KI9 築賓(ちくひん)

【位置】下腿後内側、ヒラメ筋とアキレス腱の間、内果尖上方5寸(約15㎝)。
※膝を屈し、抵抗に抗して足を底屈すると、脛骨内側縁にヒラメ筋がより鮮明に現れる。
※太谿(KI3)と陰谷(KI10)を結ぶ線上で、蠡溝(LR5)と同じ高さにある。
【主治】癲狂、嘔吐、流涎、下腹部痛、足脛部痛。
【操作】鍼は直刺で1~1.5寸。灸も可。
薬毒の除去、解毒作用
KI10 陰谷(いんこく)

合穴
【位置】膝後内側、半腱様筋腱の外縁、膝窩横紋上。
【主治】陰萎、下腹部痛、不正子宮出血、排尿困難、大腿部。膝部内側の疼痛。
【操作】鍼は直刺で1~1.5寸。灸も可。
KI11 横骨(おうこつ)

【位置】下腹部、臍中央の下方5寸(約15㎝)、前正中線の外方0.5寸(約1.5㎝)。
【主治】陰部痛、遺精、陰萎、排尿困難。
【操作】鍼は直刺で0.8~1寸。灸も可。
KI12 大赫(だいかく)

【位置】下腹部、臍中央の下方4寸(約12㎝)、前正中線の外方0.5寸(約1.5㎝)。
【主治】遺精、陰萎、陰茎痛、子宮下垂、帯下。
【操作】鍼は直刺で1~1.5寸。灸も可。
KI13 気穴(きけつ)

【位置】下腹部、臍中央の下方3寸(約9㎝)、前正中線の外方0.5寸(約1.5㎝)。
【主治】無月経、月経不順、不正子宮出血、帯下、不妊症、排尿困難、下痢。
【操作】鍼は直刺で1~1.5寸。灸も可。
KI14 四満(しまん)

【位置】下腹部、臍中央の下方2寸(約6㎝)、前正中線の外方0.5寸(約1.5㎝)。
【主治】浮腫、疝気、腹痛、下痢、無月経、不妊症、遺精。
【操作】鍼は直刺で0.6~1.2寸。灸も可。
KI15 中注(ちゅうちゅう)

【位置】下腹部、臍中央の下方1寸(約3㎝)、前正中線の外方0.5寸(約1.5㎝)。
【主治】月経不順、腹痛、便秘。
【操作】鍼は直刺で1~1.5寸。灸も可。
KI16 肓兪(こうゆ)

【位置】上腹部、臍中央の外方0.5寸(約1.5㎝)。
【主治】腹痛、腹部膨満、嘔吐、便秘、疝痛。
【操作】鍼は直刺で1~1.5寸。灸も可。
KI17 商曲(しょうきょく)

【位置】上腹部、臍中央の上方2寸(約6㎝)、前正中線の外方0.5寸(約1.5㎝)。
【主治】腹痛、赤痢、便秘、腹中積聚。
【操作】鍼は直刺で1~1.5寸。灸も可。
KI18 石関(せきかん)

【位置】上腹部、臍中央の上方3寸(約9㎝)、前正中線の外方0.5寸(約1.5㎝)。
【主治】嘔吐、腹痛、便秘、不妊症。
【操作】鍼は直刺で1~1.5寸。灸も可。
KI19 陰都(いんと)

【位置】上腹部、臍中央の上方4寸(約12㎝)、前正中線の外方0.5寸(約1.5㎝)。
【主治】腹鳴、腹部膨満、腹痛。
【操作】鍼は直刺で1~1.5寸。灸も可。
KI20 腹通谷(はらつうこく)

【位置】上腹部、臍中央の上方5寸(約15㎝)、前正中線の外方0.5寸(約1.5㎝)。
【主治】腹痛、腹部膨満、嘔吐、脾胃の虚弱。
【操作】鍼は直刺で0.5~1寸。灸も可。
KI21 幽門(ゆうもん)

【位置】上腹部、へそ中央の上方6寸(約18㎝)、前正中線上の外方0.5寸(約1.5㎝)。
【主治】胸脇苦満、心煩、嘔吐、腹部膨満、血便。
※心煩(しんはん):心中がかき乱されて安らかにしていられない感覚。焦燥感。
【操作】直刺で1~1.5寸。灸も可。
KI22 歩廊(ほろう)

【位置】前胸部、第5肋間、前正中線の外方2寸(約6㎝)。
【主治】咳嗽、喘息、胸脇支満、嘔吐、食欲不振。
【操作】鍼は斜刺または横刺で0.5~0.8寸。心肺を傷つける恐れがあるので深刺は不可。灸も可。
KI23 神封(しんぽう)

【位置】前胸部、第4肋間、前正中線の外方2寸(約6㎝)。
【主治】咳嗽、喘息、胸脇支満、嘔吐、食欲不振、乳房部の腫瘍。
【操作】鍼は斜刺または横刺で0.5~0.8寸。深刺は不可。灸も可。
KI24 霊墟(れいきょ)

【位置】前胸部、第3肋間、前正中線の外方2寸(約6㎝)。
【主治】咳嗽、喘息、胸脇支満、嘔吐、乳房部の腫瘍。
【操作】鍼は斜刺または横刺で0.5~0.8寸。深刺は不可。灸も可。
KI25 神蔵(しんぞう)

【位置】前胸部、第2肋間、前正中線の外方2寸(約6㎝)。
【主治】咳嗽、喘息、胸痛、嘔吐、胸腹部が煩悶・膨満して食欲のわかぬもの。
【操作】鍼は斜刺または横刺で0.5~0.8寸。深刺は不可。灸も可。
KI26 彧中(いくちゅう)

【位置】前胸部、第1肋間、前正中線の外方2寸(約6㎝)。
【主治】咳嗽、喘息、痰の貯留、胸脇支満、食欲不振。
【操作】鍼は斜刺または横刺で0.5~0.8寸。深刺は不可。灸も可。
KI27 兪府(ゆふ)

【位置】前胸部、鎖骨下縁、前正中線の外方2寸(約6㎝)。
【主治】咳嗽、喘息、胸痛、嘔吐、食欲不振。
【操作】鍼は斜刺または横刺で0.5~0.8寸。心肺を傷つける恐れがあるので深刺は不可。灸も可。



















足の少陰腎経 は、東洋医学において、人間が父母から受け継ぎ、生まれながらにして持っている生命エネルギーが宿るとされる「腎の臓」と深く関連しています。現代医学的には副腎に該当するとも考えられ、人体の機能をコントロールすることで、いつも健康状態が保たれるように調整する重要な役割を担っています。
腎経に異常がありますと、
などの症状が出ます。
腎経のツボとして、「照海」や「湧泉」などがあります。